残り物には懺悔がある
真っ白の壁とステンドグラスが特徴的な小さい居酒屋。
日付を跨いでる時間帯なのに、客が多かった。
ここは稀にしか営業していないらしい。
店主は若い女性で、明るい口調と笑顔で客達と楽しく会話している。
店の雰囲気を楽しみながら酒を飲んでいると、午前三時を回り、残った客は俺だけ。
『最後、頑張れよ』と常連客に言われたが、どういう意味だろうか?
店の奥から、シスターの格好をした店主が湯気の出た器を持って出てきた。
店主は俺の横に座り、手を合わせる。
「アーメン~」
器の中に入っていたのは、具なしの素ラーメン。
店主も途中から客と酒を飲んでいて、もうベロベロ状態だ。
「神よ。こんな時間に飲み食いしてる私を許して下さい~」
そう言いながら店主は泣きながらラーメンを啜る。
店主の話によると、普段は教会でシスターをしていて、ストレス発散の為に居酒屋をやっているという。
なんだか可哀想に思えてきて、朝まで話に付き合ってあげた。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。