宝くじ魔法学校

嫌いな勉強を必死で頑張り、宝くじ魔法学校に入学した。
目的は一等を当てるためではない。
先生は生徒に向かって語る。
「宝くじ魔法は等級が低ければ低いほど、威力が強くなる。つまり、はずれ券が一番強いのだ」
先生の前には沢山の的がある。
「魔法のイメージを頭の中で描いて…はずれ券を投げる!」
はずれ券は剣に変わり、的に刺さった。
別のはずれ券は炎に変わり、的を燃やし尽くす。
「等級が上がると、威力が下がるのが宝くじ魔法の弱点だ。とは言っても、はずれ券は多いから困らないけどな」
先生は笑いながら、はずれ券で顔を扇ぐ。
俺は、はずれ券を沢山持ち、的の前に立つ。
頭の中でイメージし、的に向かって投げた。
はずれ券は大量の針に変わり、的に刺さる。
魔法が成功した喜びと、針が的に刺さった快感で胸がいっぱいだ。
先生は俺を褒めてくれて、宝くじ魔法学校に入学した目的を聞かれた。
一等を当てた友達に、痛い目に遭わせるのが目的だ。


あけましておめでとうございます。
今年一発目の投稿。
今年も毎週ショートショートnoteを書いていきます。
他にもなにか書けたらいいなぁ…と思ったり。
今年もよろしくお願いします。

たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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