忍者ラブレター
今日は、くの子ちゃんに恋文を渡す。
忍者の末裔である俺は、クラスの皆から今時忍者なんてダサいと言われていた。
忍びが好き過ぎる故、今の時代についていけない。
だが、くの子ちゃんはくノ一の末裔で話が合い、すぐに仲良くなれた。
俺にはもうくの子ちゃんしかいない。
勝負服の忍装束を身に纏い、待ち合わせしている三階の書道室に入る。
「伊賀君、忍装束着てどうしたの?」
俺だとすぐ分かるとは、さすがくの子ちゃんだ。
「これを渡したくて」
手裏剣の形にした恋文を手渡す。
くの子ちゃんは恋文を広げて、目を通している。
返答待ちでソワソワして、ドロンしたい気分だ。
読み終えたくの子ちゃんは口を開く。
「気持ちは嬉しいわ。でも……」
「くのピー!迎えに来たぞ!」
眩しいオーラを纏った男が書道室に入ってきた。
「私、カレピッピいるから。今の時代に生きることにしたの」
なんとも言えない気持ちになり、窓からむささびの術で学校を去った。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?