ヘルプ商店街

看板の文字を見て、必死の思いで逃げ込んだ。
追っ手は引き返して行く。
暗闇の中走り続けたのでヘトヘトだ。
看板にはヘルプ商店街と書かれている。
「久しぶりの客人だ」
手足が長く、俺より身長が高い怪人が突然現れた。
「ヘルプ商店街と書かれているが助けてくれるのか?」
看板に指を指しながら聞くと、怪人は首を振る。
「ヘルプではなく、ヘノレプ商店街。文字を詰めすぎて書いたらそうなってしまった。ここには我々ヘノレプが住んでいる」
怪人はゆっくり商店街のほうへ向き、歩き始めた。
俺は怪人の後ろをついていく。
商店街には誰もおらず、店すら開いていない。
「昔はここを訪れる者が多かったが、今では稀だ」
怪人は足を止め、振り返る。
「ここに逃げ込んだのは運が悪かったな」
怪人の手が刃物に変化した。
「魂解体ショーの始まりだ!」
逃げようとしたが怪人達に囲まれている。
地獄へ行く途中で隙を見て逃げ出したのに、あっけない最後だ。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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