だろう温泉
目の前に立ち上る、見ているだけで温まる真っ白い湯気。
珍しい温泉があると噂で聞き、有給を取って来た。
ここの温泉名は、だろう温泉。
経営者が作ったオリジナル温泉がいくつもあるらしい。
各温泉に手書きの看板が立っている。
まず目についたのが、茶色の温泉。
“珈琲をたっっっぷり入れた珈琲温泉。入れば眠気が吹き飛ぶだろう“
どうりで珈琲の匂いがすると思った。
入らなくても嗅ぐだけで眠気が飛びそうだ。
次に目についたのが、緑の温泉。
“ほうれん草、キャベツ、ピーマン、レタスが入った温泉。一ヶ月分の野菜が摂取出来るだろう“
いや、浸かるだけで摂取出来ないだろ……。
横にあったのは、真っ白い温泉。
“牛乳と豆乳を混ぜた温泉。入れば巨乳になるだろう“
「うふ、あなたも一緒に入る?」
無精髭を生やした長髪のオネェさんが、浸かっていた。
「いえ!結構です!」
逃げるように飛び込んだ先は珈琲温泉で、今日は色々と苦い思いをした。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。