生き写しバトル

世の中に自分と似た人は三人いるというが……百人は多くない?
しかも、俺を含めて全員の名字が山田。
自分の生き写しに会えるという招待状を貰い、興味があって来てみれば、まさかこんなにいるとは。
どうして会場は闘技場なのだろう?
VIP席に招待状の送り主らしき男が現れた。
「君達は、山田基準の山田なのだよ。分かりやすくと言うと、人間の平均能力を持っているということだ」
俺達全員、能力が同じだと?
「君達がここに来る前に受けた身体検査とテストの結果を見たまえ」
巨大なディスプレイに数字が表示される。
身長と体重の結果、全員同じ数値。
学力テストの結果、全員同じ点数。
ここまで同じだと気味が悪い。
「平均な山田は嫌だろう?平均より上の山田を今から決める。さぁ!拳で戦うのだ!」
男がそう言うと、ゴングが鳴った。
平均の山田なんて嫌だ。
他の山田達もそう思ったのか、殴り合いが勃発。
殴り合いの結果、全員共倒れで終わった。

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