デジタルバレンタイン
アイドル事務所社長の俺が、恋のファンとしてバレンタインライブに招待された。
恋は誰もが知る有名アイドル。
「私からのバレンタインを受け取って!」
恋の声が会場中に響き渡る。
会場へ入る前に渡された掌サイズの銀皿を、ポケットから取り出す。
ファン達の銀皿に乗っていたのはキャンディー。
恋が思い描いた物をデータ化し、銀皿に瞬間転移して物体化しているのだ。
バレンタインに贈るお菓子には、物によって意味がある。
キャンディーの意味は、貴方と長く一緒にいたい。
俺の銀皿に乗っていたのは、マカロン。
意味は……貴方は特別な存在。
お菓子の意味は、生前の恋が教えてくれた。
俺と恋は幼馴染み。
高二の時、恋はアイドルオーディションへ向かう途中、交通事故で亡くなった。
俺は必死で勉強して、恋の記憶と共にホログラムで生き返らせ、アイドルデビューさせた。
マカロンを口の中へ放り込む。
恋のマカロンは、脳が溶けそうなくらい甘かった。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。
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