名探偵ボディビルディング

頭を使う探偵だけでは駄目だ。
強くなければ、犯人にやられる可能性がある。
新たな探偵を発掘するためジムに来たが、熱気がすごい。
筋肉を鍛え上げている男達が沢山いる。
探偵に興味ある人だけ呼び、横一列に並んでもらった。
まるで筋肉の壁だ。
彼らには、犯人役である私を追い詰めてもらう。
追い詰め方を見て、探偵として適性か判断する。
「犯人は…お前だ!」
トップバッターの白いタンクトップを着た男は、両腕を前に出し、ポーズをとりながら言った。
「筋肉からは逃げれんぞ!」
次の青いタンクトップを着た男は、背を向け、ポーズをとりながら言った。
犯人に背を向けるのは危険過ぎる…。
次の男も、その次の男も、ポーズをとりながら台詞を言う。
いつの間にか、全員タンクトップを脱いでいる。
これでは探偵ではなく、ただの筋肉自慢だ。
「全員、失格です」
私がそう言うと、男達はポーズをとりながら次々とドミノ倒しのように倒れていった。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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