執念第一

最初に告白したのは幼稚園のとき。
「ひろこちゃん、つきあってください」
「ごめんなさい」
振られた。
次は小学生のとき。
「広子ちゃん、付き合って下さい」
「ごめんね、無理」
また振られた。
中学生のときは。
「広子ちゃん、付き合ってくれない?」
「ごめん、無理」
やっぱり振られた。
諦めずに高校生のときにもアタック。
「付き合っ」
「無理」
言い終わる前に振られた。
同窓会で再会を果たし、改めて告白。
「好きだ。俺と付き合って下さい」
「私、恋人がいるの」
涙が出そうで視界がぼやけた。
大丈夫、まだチャンスはある。
結婚式に呼ばれ、出席した。
新婦に祝いの言葉を言いに行く。
「広子さん、おめでとう。ずっと好きです」
「結婚したのに、まだ言ってるの?」
「勿論、好き…だからさ」
これからも、ずっと好きだと思う。
中年になっても、老人になっても…。
受け入れられない自分がいて、帰り道で人目を気にせず涙を流した。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?