激辛の鏡
綺麗な部屋とは不釣り合いの不気味な鏡。
「鏡よ、この世で一番醜いのは誰?」
「てめぇだよ。汚ねぇし生きてる価値もねぇよ」
「嬉しい♪」
メイドは鏡から罵声を浴びて、ぎこちない笑顔で喜ぶ。
メイドが実家から持ってきた鏡は、親から貰った物。
幼い頃から体罰や罵声を受けていたメイドは、悲しい・辛い感情を、全て嬉しい感情に変換して生きてきた。
それを知った王様は可哀想に思い、城のメイドとして雇ったが、城に移り住んでも変化がなく悩んでいたのだ。
王様はメイドのために、白雪姫の他に小人達や王子を招き、食事会を開くことにした。
食事会当日、メイドを中心に皆で食事や会話を楽しんでいると、メイドは突然泣き出した。
「ごめんなさい。こんな温かい気持ちになったのは、すごく久しぶりだったから……」
食事会後、部屋に戻ったメイドは近くにあった椅子を持ち上げた。
「おい!てめぇなにを──」
メイドは鏡に向かって椅子を投げ、鏡を割った。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。