伝書鳩パーティー
男は昼間に街へ出掛け、鳩の餌と白ワインを購入。
帰宅後、男は机の上に鳩の餌と白ワインを置き、鳩が入った黒い檻を暖炉の中に吊るす。
床には、ぐしゃぐしゃに丸めた未払いの請求書がいくつも落ちている。
男は伝書鳩で生計を立てていたが、機械の普及により伝書鳩の仕事が無くなっていった。
新しい仕事が見つからず、金に困る日々。
鳩の餌が十分に買えず、今では五羽しかいない。
男は鳩の餌を檻の隙間から豪快にばらまく。
それを見た鳩達はすぐに食いついた。
首を動かしながら美味しそうに食べている。
「有り金を全部使ったんだ。有り難く食べろよ」
男は鳩達が餌を食べ終えたのを確認し、床に落ちている請求書を暖炉の中に放り込んだ。
ポケットからライターを取り出し、請求書に火を点けた。
突然の火に、鳩達は逃げようと檻の中でばたばたと羽を動かしている。
「安心しろ。美味しく食べてやるからな」
男は白ワインを開け、パーティーの準備を始めた。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。