織姫妖怪

七夕という行事は無くなった。
天の川は崩壊し、地上に星々が落ちて甚大な被害をもたらしたらしい。
彦星は天の川の崩壊を防ごうとしたが、星々と一緒に流されて行方不明になったと聞く。
二百年経った現在、彦星はまだ発見されていない。
こうなった原因は織姫だ。
織姫は天帝を倒すために数百年掛けて魔力を蓄えていた。
彦星と一年に一度だけでなく、ずっと一緒に居るために。
魔力で妖怪に化けた織姫は天帝を倒すことが出来たが、魔力をコントロール出来ず、自我が無くなり天界を暴れ回ったという。
これらの話は、天界の生き残りから聞いた。
織姫は今、地上に降りてきて暴れ回っている。
このままでは地上も壊滅してしまう。
地上と織姫を救えるのは、彦星の生まれ変わりの僕だけだ。
僕より数倍大きい織姫を見て、思わず足が震える。
頬を叩き、気合いを入れた。
「織姫!今助けるから!」
皆の願いが込められた短冊を魔力に変え、僕は織姫の元へ飛び込んだ。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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