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結婚願望が湧かないのは母親への反抗かもしれない

私の母は24歳で結婚しました。

25歳で第一子を出産し
30歳で私を産みました。

私は今29歳ですが、
母は私の年齢の頃にはお母さんをしていました。

大学を出て程なくして結婚。
地元から遠く離れた土地に嫁ぎ
妻、母親業に専念してきた私の母。

そんな母にとって子どもは
自分の全てなんだと思います。

それなりの大学を出て
それなりに優秀な女性だったはずなのに
地元も学歴も捨ててど田舎に嫁いで
所謂女性として幸せな道を歩んだ母。

つまり母にはキャリアなんてものはありません。

自己実現の手段は子育てです。

子どもである私たちをいかに真っ当に育てるか
それだけが母の自己実現の手段なのです。

母は結婚して子を育てる人生しか知らないし
それが正しく幸せな道だと思っているようです。


母は昔から厳しい母親でした。

たくさん怒られました。

習い事や進路もほとんど母に強制されてきました。

結果感謝していることもたくさんあります。

でも今に至るまで、
子が自分の思い通りにならないことを
心底嫌がります。

特に今、私が30歳目前で
結婚もせず毎日楽しく暮らしていることを
母はとても嫌がっているように感じます。


25歳から26歳になる頃
私は5年弱付き合った恋人と別れました。

理由はたくさんあるけれど
両親から結婚を猛烈に反対されていたことも
大きな理由の一つです。


「あの人のこと大好きだったなって思いながら
他の人と結婚した方がいいの?」そう尋ねる私に

「うん」と迷いもなく母は答えました。

それほど猛烈に反対されていました。


その彼と別れてからというもの
私はいろんな男性と巡り合ったし
お付き合いもしてきました。

でも今に至るまで
結婚には辿り着けませんでした。

彼と別れたことに後悔はありません。

ただ、もしも反対されていなかったら
どうなっていたのかなと考えることがあります。

そんな私を尻目に
母は「私は反対してなかったよ」と
呑気に言うものだから驚きます。

私は反対していた母の声色も形相も
一生忘れることはないと思います。


いよいよ適齢期になっても結婚しない娘に
母はいろいろな言葉で攻撃してきました。

昔からできちゃった結婚だけはダメだと
口を酸っぱくして言われていたのに
「あなたはできちゃった結婚でもいいよ」
と笑顔で言われました。

友人の結婚式でスピーチを任され
その話を母にしていた時
「○○は本当にいい子なんよ」と私が言うと
「だから結婚できたんでしょ」と言われました。

つい先日も、
母も幼い頃からよく知っている私の友人が
初めてできた彼氏と結婚が決まったと伝えると
「幸せになれるじゃん」と言いました。

まるで結婚していない私は
幸せじゃないみたいな言い方でした。

これらの言葉はかろうじて直接的ではないにしろ
私は結婚への圧を感じずにはいられませんし
大好きな母親に人格を否定されたようで
心にも無数の傷を負いました。


そしてついに直接的に
「早く結婚して子どもを産みなさい」
と言われました。

私は今の暮らしが楽しくて
叶えたい夢だってあることを母は知っています。

その上でやっぱり結婚こそが正義みたいな言い方。
そして当たり前に子どもができるという考え。
この令和の時代に。やっぱり昭和の人間だな。

「そんなことばっかり言わないで」

そう言う私に

「言ったことないよ。言わないようにしてるもん。
今初めて言ったんだよ。」と母は言いました。

呆れてものも言えません。

「もっと酷いことたくさん言ってるよ」

そう言い残して私はその場を去りました。
耐えきれず涙がこぼれてきました。


どうしてこんな酷いことが言えるのでしょうか。

私は今の生活が本当に楽しいし
初めて自分で見つけた夢を追いかけているのに。

私が一番結婚したかった頃
一番反対していたのは母だったのに。


私だって努力しています。

出会いも積極的に探しているし
真剣なお付き合いだってしてきました。

その結果「結婚は違う」と
つい数か月前にフラれたことも
食事が摂れないくらい傷ついていたことも
母は知っているはずなのに。


私が結婚にイマイチ夢を持てないのは
母を見ているからです。

自分を犠牲にして家族のために頑張った結果
子に価値観を押し付けて子を容赦無く傷つける
そんな母親を見ているからです。

母が幸せそうにしている姿を
ほとんど見たことがありません。
特に10代の頃は。

母のようになりたくない。
ああなるくらいなら独身でいい。
私はそう思ってしまうのです。


それに、私が結婚することで
結婚、子育てこそが幸せだという母の価値観を
認めてしまうような気がするのです。

母の思い通りになりたくない。
そんな反抗心がどこかにあるのかもしれません。

もしいつか私が
「婚約者です」と誰かを紹介しようものなら
「よかったね」としみじみ言う母の姿が
いとも簡単に想像できてしまうのです。

その「よかったね」には
「あの時結婚しなくてよかったね。
お母さんの言った通りでしょ。」
の意味が含まれているような気がするのです。


こんな余計なことを考えてしまうのは
もちろん私のせいなので
母が絶対的に悪いとは言いません。

言葉の裏を読みすぎる私の性格のせいですが
あながち間違っていないとも思います。


私は母には感謝しているし大好きです。

だからこそ母に認めてもらいたいと
幼少期からずっとずっと思っていました。

幼い頃から母には
褒められたことや肯定されたことが
ほとんどありません。

今でも私の選択に必ずケチをつけてきます。

結婚を反対されていた元彼と別れた時も
「いい子だったのに残念だね」と言われたし

大好きだった元彼と
結婚はできないと思って別れた時も
「そんなに好きならなんで結婚しなかったの」
と言われたし

直近の元彼と
真剣に結婚を考えながら付き合っている間は
「本当に彼のこと好きなの?
結婚のために付き合ってるんじゃないの?」
と言われたし

そして恋人も作らず
自分のことで毎日楽しくしている今の私には
「早く結婚して子ども産みなさい」と言う。

どうしたら正解なんですか?

何を選べば
あなたは私の生き方を認めてくれるんですか?


結婚、子育てこそが正義という母の考えを
否定するつもりはありません。

実際やっぱり結婚、子育てされている方を
私は心から尊敬するし憧れもします。

でも、「子が幸せならそれでいい」とは
思えないものなのでしょうか。

これだけ価値観を押し付けられて結婚したとして
本当に私が幸せになると思っているのでしょうか。


こんな過去さっさと手放してしまえば
私自身もっと楽になることはわかっているけど
まだまだその境地には達することができず。

過去に縛られて生まれた反抗心が
私を結婚からさらに遠ざけていきます。

そして結婚から遠ざかれば遠ざかるほど
母からの圧は強くなっていく。


子どもはあなたの分身じゃないよ。
私にはあなたとは別の人格があるんだよ。


お母さん、今の私を肯定してください。

それこそが結婚への一番の近道かもしれない。





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