未来掲載短歌 2023年8月号

未来2023年8月号掲載

歩き始めた

真ん中の延長コードごめんなさいいつも最初に疑うところ
目が覚めたばかりのパンを見つけても私はベルの鳴るほうへゆく
ゴキブリのような葉っぱを踏み歩くいち住民として咀嚼する
雨激しくかつて私も好きだったCDを転がして回した
早朝に空港目指す幸福の中にいるとき故郷は綺麗
ずっとずっと未来始まるdeparture一番星にarriveは無い
雨茂り見まがいやすいどの道も博多駅まで繋がるはずだ
明け方の私のFace IDは私の肘に警備を解かず
このところブラウスふうの空のいろ冬のコフレがまだ終わらない
ルナルナの予測通りに今日のある私は奇跡側の人間

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