未来掲載短歌 2023年3月号
未来2023年3月号掲載
応答せよ体
乳液の試供品から滲み出る旅のにおいを肌におさえる
山があり雲がたびたび現れて満ちているよね見上げるときは
雲よりも上に居る夜ひたひたと冷たいお茶にふたをください
フィッシュオアビーフに近い問いかけに最後に選ぶほうを答えた
沢山の雲で塞いだこの夜に落とすシャワーの温度をひねる
空腹のうろの脈打つ朝十時とびきり自由なのわかるだろ
全力で走りだしたいその意気を歯で止めている自分が好きだ
わが指揮の下でイントロ自滅するSSR完凸艦隊
プチプチを広げる際にこの部屋の空気を軽く圧してしまって
ふた月で飽きた楽器を返却しひらけた床に背中をつける