【自己流】Macで人力ボカロの作り方
はじめに 〜生成AIについて〜
現在、生成AIに関するセンシティブな話題が広がっていることを踏まえ、私自身もこれまで以上に注意を払って活動を行ってまいります。
私が制作する人力ボカロ動画には生成AIを一切使用しておらず、あくまで支援ツールを使用した自身の手作業による編集で完成させています。また、これらの動画を営利目的で利用する意図は一切ありません。
万が一、権利元様から何らかのご指摘やご連絡をいただいた場合は、迅速に対応し、該当動画の削除など適切な措置を取る準備が整っております。
皆様に安心して楽しんでいただけるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
Macユーザーに立ち塞がる壁
皆様はじめまして、たふるたと申します!
主に人力ボカロ作品を作っているものです。アイマスは基本的に切り貼り式、他はUTAU式で作っています。
この記事を見に来ている人はおそらく、人力ボカロを作ろうとしたのに必須ツールが大体Windowsでしか使えず、自分のパソコンがMacであることに絶望した人が大半なのではないかと思います。
しかし今日日、歌声分離・抽出はブラウザで行えますし、UTAU式人力の場合は原音設定を『vLabeler』、肝心のUTAUは『UTAU-Synth』もしくは『OpenUTAU』を使えば作れます。
(切り貼り式の要であるピッチ変更は、耳が良ければ『Reaper』で行えます。あとは有料ソフトにはなりますが『Melodyne』が有名でしょうか)
つまり、Mac対応ソフトだけでも人力ボカロを作ることは可能です!
……が、私の場合はMacだけで完結させていません。
主な理由としては、UTAUプラグインが使えないこと、そしてVocalSifterが使えないことが大きいです。正直最低限のことしかMacではできないため、エンジン変更やフラグを使うなどUTAU界隈では当たり前のテクニックが使えず、そのうち限界を感じることかと思います。あと資料が少ないのでトラブった時辛い。
そして、2020年までのMacだったらIntelが入ってるはずなので『Wine』を導入すればWindowsアプリケーションも使えたのですが(実際2022年までの私の投稿動画はそのようにして作っていました)、Appleシリコン搭載Macだとそうもいきません。これが壁です。
(Intel搭載時代の作品例。上がUTAU式人力、下が切り貼り式です)
さて、ではどうすればいいのか?
答えは簡単です。仮想マシンを導入しましょう。
結論:仮想マシンでWindows11を動かそう
要は、MacにWindows自体を入れて動かしちゃおうという試みです。
ただ、この方法はメモリを死ぬほど食う上に、UTAU音源を作るのであればその分容量も取られるため、さまざまな方法の中でも結構な力技になっていると思います。(私は現在約60GBを割り当てています。システムデータだけで30GB取られるっぽい?のでそれの倍なわけですが、動画編集とかしてると普通にストレージが真っ赤になって厳しいので、SSD買ったりしてメモリを確保しようと思ってます…)
私はパソコンに詳しい人間ではないため、もしかするともっといい方法があるかもしれません。なので、この方法しかないとは決して思わないでください。そして「もっといい方法があるよ!」という方は後学のためにもコメントやDMなどで是非教えていただけると嬉しいです。
参考までに、私が使っているソフトは『VMware Fusion』になります。(ちなみに『VMware Workstation』はWindows向けの方なので注意。)導入方法はさまざまなブログやサイトで解説されているため、そちらを参考にしてみてください。YouTubeに上がっているものだとノーカットで解説してくれているので、それを見るとわかりやすいかも?
とにかくこれでWindowsを動かせられるようになれば、本家UTAUも、setparamも、VocalSifterも使えるということです!無敵!(素敵!)最高!(最強!)
実際どうやって作っているのか?
さて、結論は言い終えました。もしかしたら、ここまで見て「なるほど仮想マシンを導入すればいいんだな!」ということでそれを実践し、すでに作品づくりに取り掛かっているかもしれません。
なのでここからは蛇足にはなりますが、私が実際にどうやってMacとWindowsの画面を行ったり来たりしながら人力を作っているのか? ということを解説したいと思います。もしここに書いてあることに関する質問があれば、ぜひご連絡ください。
Windowsで使っているソフト
私の人力作成手順は以下のようになります。
この中に書かれているもので、Windowsでしか動かないものは以下の3つです。
Ultimate Vocal Remover(歌声・ハモリ分離、抽出)
setparam(原音設定)
VocalSifter(調声)
全部重要なやつ!!!!他はMacでも動かせるのですが、実際に私が作業する際にWindowsで使っているのは上の3つに加えて、以下が入ります。
OpenUTAU(調声)
Mutant(wavファイル管理)
それぞれについて解説したいと思います。
1. OpenUTAU
OpenUTAU(以下OU)に関しては冒頭で少し触れましたが、プラグインやエンジンの導入がうまくいかないことが理由です。
プラグイン使えないのは本当にきつい……今ではハモリもビブラートも音素ごとの音量調整も、全てをプラグイン任せにしています。ありがとう製作者の皆様! エンジンは語尾や息音素だけTIPSにするのがお気に入りです。
ところで、どうして本家本元のUTAUを使わないのか?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは特別な理由があるわけではなく、私の経緯に依るところが大きいです。
もともと私はInter搭載MacでUTAU-Synthを使って人力を作成していました。そしてM2Macに乗り換え、さーてUTAU-Synthを使うか!……と思ったら使えなかったので、代わりにOUを使い始めました。その後仮想マシンを入れたので、そのまま操作に慣れていたOUを使い続けている、というわけです。
なので、性能の優劣によって決めているわけではありません。ご自身が興味のある方・使いやすいものを使ってくださいね。
2. Mutant
これは主に切り貼り式を作る際、VocalShifterと同時に使っているからです。このソフトに登録したフォルダにある音楽ファイルを、ソフトからそのまま他にドラッグ&ドロップすることができるというものなのですが、
①Mutantにいい感じに切り分けた音源のwavファイルを登録する。
②ファイル検索機能を使ったり、試聴したりして使いたい音素を吟味する。
③見つけられたらVocalShifterにD&D。
……っていう一連の流れができます!エクスプローラーからD&Dするより絶対楽だと思います。試聴が簡単なところが最大の強みかな?
私の場合はこのあと「VocalShifterで音素をトリミングして使いたいとこだけにする→他の音素と被らないようにトラックを別にして配置しつつ、軽くタイミングと音程を調整する→トラックごとにwavを生成→Reaperでタイミング調整」と続きます。これに関してはまた詳しい別記事を作りたいですね。
これ以外であまり使ってないのですが、効果音まとめフォルダとかあったら動画編集に役立つかも。
終わりに
今回は「どうやってMacで人力ボカロを作るのか」というところに焦点を当ててお話をしてきました。この方法は自分でも正しくできているのか不明瞭なところがあるので、それでもこの記事が誰かの一助になれば良いなと願っています。Macユーザーも諦めずに楽しい人力ライフを送ろう!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。