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僕と家族の1ページ

「琢、寒くないか?」

JUSCOで映画を見た帰り、父がバイクを運転しながら聞いてきた。

「大丈夫!映画の主題歌歌ってた人って誰?」

中1だった僕は風に負けない大きな声で、質問に質問で返した。

「バンプ、BUMP OF CHICKENだよ」

2007年真冬の寒い日、僕は初めてBUMP OF CHICKENに出会った。

その時に出会った曲が花の名だった。ある種この時が自分のセーブポイントとなる。

僕は中学校がどうも苦手だった。私立というお金持ちや頭が良い子ばかりの環境で、友達に置いていかれるのが嫌になった僕は人にしつこくなってしまった。それが理由で孤立してしまったのだ。

保健室に行っては早退する毎日。何も叱らずに親は迎えに来てくれた。帰ったらおじいちゃんとおばあちゃんが美味しいものを作って待っていた。家族にはとても迷惑をかけたと思っている。それに気づいてた僕はとても苦しかったのを今でも覚えている。

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高校1年生の冬、自分は叔父に貰った図書カードを何に使おうかと悩みTSUTAYAに向かった。そこで久々にBUMP OF CHIKENに出会った。

急いでカウンターへ持っていき、CDに図書カードは使えますか?と聞いた。すると、使えますと言われたので本なんて忘れてアルバム『COSMONAUTを買った。

このアルバムに『魔法の料理 〜君から君へ〜』という曲が収録されている。学校には行けなかったが、勉強だけは頑張り志望する高校に入った僕に響く内容だった。

君の願いはちゃんと叶うよ 大人になった君が言う

布団の中、当時MDプレイヤーで聴いていた僕は涙を堪えたのを覚えてる。

まあまだ全然子供だったけどね。

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2013年、初めてROCK IN JAPANに行った。

そこでBUMP OF CHICKENに再会する。自分にとって初めてのROCK IN JAPANに5年ぶりにBUMP OF CHICKENが出演した。今思うと、偶然じゃなかったのかもしれない。

夜のGLASS STAGE、とても広い会場に綺麗な音が鳴り響いた。花の名を聴いた時、自分は何か大きな者が迫ってくるような感じがした。多分過去だろう。しかし、その時の自分は怖さより気持ち良さを感じた。それだけ成長したってことだろうと思った。

その時に聴いた『Stage of the ground』という曲を高校で出会った最高の仲間たちと文化祭で演奏した。人生で一番気持ちよかった瞬間だった。ちなみにその時のバンド名は5Gentlemen。

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2015年、成人式を迎えた。

家族が個室の料亭を予約してくれて、祝ってくれた。少し酔っ払った父が、「琢、カラオケあるから歌えよ〜」と茶化した。

じゃあ一曲くらい。と自分のセーブポイントに出会った曲である『花の名』を歌うことにした。

20年間、辛いことの方が多かったかもしれない。小学校も中学校もうまく馴染めず、家族で悩んだ。母と一緒に泣いたこともあった。

そんな自分が20歳という節目を迎えた。学校生活は高校入学後順調で、友達もたくさんできて、心もすごく安定していた。

今と過去を比べた家族は気付いたら全員泣いていた。父も母も、おじいちゃんもおばあちゃんも。「素直に育ったね」とみんな泣いてくれた。

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2017年、ずっと一緒に住んでいた祖父が亡くなった。

一人暮らしの家でたくさん泣いた。家族や自分の涙とは裏腹にその日は快晴だった。ある程度感情が収まり、車で実家へと向かった。

その車の中でたまたまかかった曲が『GO』だった。

とても素晴らしい日になるよ
怖がりながらも選んだ未来
君の行きたい場所を目指す
太陽は今日のためにあった

「泣くな、そのまま進め」というおじいちゃんからのメッセージかと思った。

自分が頑張らなきゃと、おじいちゃんがお世話になった人たちに全力でありがとうを伝えた。涙は堪えられなかったけど。

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2019年、自分は第一志望だった企業の内定を貰った。

今まで色々あったけど、初めてBUMP OF CHICKENに出会ったあの日から比べたらだいぶ成長したと思う。家族はとても喜んでくれた。素直に『ありがとう』とも言うことができた。迷惑をかけて『ごめんね』ではなく、今までずっと味方でいてくれて『ありがとう』と。

そんな中で行ったaurora arkツアー。

Auroraと言う曲を聴いて、頑張ってよかったなと心から思った。

その足が向かうべき先へ そうしなきゃ見えなかった未来へ

これから見えなかったものがたくさん見えてくると思う。天国にいるおじいちゃんを初めとしたお世話になった人たちにも恥じないように、やりたいことをやっていこうと思います。関わってくれる人これからもよろしくね。

エモすぎだろ


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