言語外コミュニケーションvol.1 気配での伝達
私たちは日常で言葉、動作、仕草、視線以外にも、雰囲気、気配、距離の取り方、人や物との間にある空気感、言葉の裏にある距離感といった物理的な距離の取り方、心理的な距離感の取り方・言葉の距離感など不可視でありながらも感覚的に伝わるものを多く用いています。
これらを私は言語外コミュニケーションと呼んでいます。
言語外ですので言葉で伝えるのは当然当て嵌まりませんし、動作・仕草(説明的な動きをする、貧乏ゆすり、机を指先でたたく、顎下に指を当て視線を外すetc)、視線で伝えるのもではなくボディランゲージといった言語性を持った伝達方法ですので当て嵌まりません。
プロセニアムで客席が400とか500を超えるホール(以下、大劇場)では、こういった不可視のものは伝わりづらいので見落とされるのも仕方ない面もありますが、小劇場ではこういったものもお客様は感じ取っていると考えておいた方がよいと思います。
また、たとえ大劇場であってもこれら不可視の言語外コミュニケーションを用いると、他者の行動に影響を与えることができます。こちらが適切な心理的距離感・関係性・言葉の距離を用いて接すると、相手は『作り』に頼らず自然な状態で台詞が出てきたり、動けたりします。自分のためだけでなく相手のためにもこの技術は身につけておくと有効です。
手始めとして、言語外コミュニケーションの感覚に気付くための遊び感覚でやる練習法を書いておきます。
基本として、誘導する人、誘導される人、観客役(1人以上)の3人~5人程度を1グループとして行います。
人数が多い場合はグループ分けして行ってください。
【準備するもの】
・椅子を5つ
・右端、右隣、左隣、左端(または5つ並べた椅子の絵に座る場所を指定する〇をつけたもの)と書かれた4種類のくじ(紙)を各1つずつ
【概要】
・椅子を5つ横並びに並べ、誘導する側(座っている人)は真ん中の席に座り、不可視の言語外コミュニケーションで相手を誘導する。
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