20年11/26 小説📖パロディ「痔滅の刃」No.36 第二章⑪ 🔴鬼の目にも涙
⬜⬜ 鹿の到着4️⃣
⬜ 泣いた赤鬼
ほとほと山中鹿之好と嘴平痔乃助(はしびら・じのすけ)は困り果てて、渋沢栄痔に相談しました。
<渋沢栄痔>
「立川文庫」の「泣いた赤鬼」の手で行くというのはどうでしょうね。
【立川文庫】10月25日投稿のNo.4参照
【鬼の目にも涙】冷酷非情な人でも、時には同情から涙を流すこともあるという意味。
<山中鹿之好>
それは良いかもしれませんね。
でも憎まれ役の青鬼は誰が?
<嘴平痔乃助>
あ、青鬼は俺がやりますよ。
元々最初は猪の被り物で恐れられてたんだから、適役ですよ。
それに鹿達は、鹿之好さんの優しい「も鹿(しか)して」の歌声に誘われて集まって来たんだから、鹿之好さんが赤鬼になるのは当然です。
<渋沢栄痔・山中鹿之好>
痔乃助さん、すみません。
【泣いた赤鬼】浜田廣介の児童文学。
人間と仲良くしたいという赤鬼がいましたが、
村人は鬼を怖がって近寄って来ませんでした。
見かねた友達の青鬼が、自分が悪役となり村で大暴れするから、
その時に君が出て来て青鬼の僕をを懲らしめればいい。
そうすれば赤鬼が優しい鬼だと分かる、と言って実行しました。
お陰で赤鬼は村人と仲良くできましたが、
友達の青鬼は「僕と付き合えば君も悪い鬼だと思われるから僕は旅に出ます」という、貼り紙をしていなくなりました。
「泣いた赤鬼」のお芝居のお陰で、山中鹿之好は鹿達の全幅(ぜんぷく)の信頼を勝ち得て、調教に邁進(まいしん)することが出来ました。
【全幅】ありったけの。
痔(次)号に続く