20年11/23　小説📖パロディ「痔滅の刃」No.33　第二章⑧　🔴緊急事態宣言

⬜⬜ 鹿の到着1️⃣

山中鹿之好と嘴平痔乃助（はしびら・じのすけ）の両名が東北から村に戻ったのは、4月の中旬でした。およそ半年もかかったことになります。

鹿之好は東北の農家の酷（ひど）い惨状と、

第一次世界大戦の影響で

鉱山・造船・商事等の業種が急速に活況になり始めていることを、炭痔郎に報告しました。

⬜ 鹿・35頭到着、湯治へ

ほどなく鹿が馬喰（ばくろう）によって運び込まれました。

東北を出発する時は40頭でしたが、村に到着する迄に5頭が亡くなっていました。

【5頭が天国へと旅立ちました】

初めの内は鹿達も、馬と一緒で「馬鹿（バカ）ンス」旅行や修学旅行の気分でしたが、

長旅はやはり酷だったのでしょう。
村に到着した時は、残った35頭の鹿も酷（ひど）くやつれ果てていました。

炭痔郎はこのまま鹿達を訓練するのは可哀そうと判断し、

温泉で湯治（とうじ）させることにしました。
【湯治】温泉宿に長期滞在して、病気を治療すること。

場所は、那須にある

「鹿の湯」という所です。

「鹿の湯」は栃木県那須町にあります。7世紀に狩野三郎行広という人が山狩りで逃げる鹿を追って行くと、鹿が傷ついた体を温泉で癒（いや）していました。鹿によって発見されたので「鹿の湯」と名付けられたと言います。

痔（次）号に続く