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ふきのとう

ふきのとうって知ってる?

娘っ子(小2)が
「ふきのとうって知ってる?」
と聞いてきたので
「天ぷらにすると美味しいよね」
って答えたら、国語の教科書に出てくる「ふきのとう」のことだったらしく鼻で笑われた…
娘っ子はこの話が好きらしく、全部暗記したので親父にドヤ顔をしたかったらしいのだが、それ以前の親父の珍回答にがっかりだったらしい。

いやー良い文章

その後、暗記した内容を披露してくれたのだけどこれよい文章ですね。
キャラクターが頭の中で描写しやすい。
昔、習ったような記憶が微かにあるような気もしますが…ほんと自分は勉強ぎ嫌いだったのでイマイチ覚えてない。
それにしてもこんな長い文章をよくまぁ全文覚えたもんだ。
父には真似できない…。

「ふきのとう」工藤直子

よが あけました。
あさの ひかりを あびて、
竹やぶの 竹の はっぱが、
「さむかったね。」
「うん、さむかったね。」
と ささやいて います。
雪が まだ すこし のこって、
あたりは しんと して います。

どこかで、小さな こえが しました。
「よいしょ、よいしょ。おもたいな。」
竹やぶの そばの ふきのとうです。
雪の 下に あたまを 出して、雪を どけようと、
ふんばって いる ところです。
「よいしょ、よいしょ。そとが 見たいな。」

「ごめんね。」
と、雪が 言いました。
「わたしも、早く とけて
 水に なり、とおくへ いって
 あそびたいけど。」
と、上を 見上げます。
「竹やぶの かげに なって、
 お日さまが あたらない。」
と ざんねんそうです。

「すまない。」
と、竹やぶが 言いました。
「わたしたちも、ゆれて おどりたい。
 ゆれて おどれば、雪に 日が あたる。」
と、上を 見上げます。
「でも、はるかぜが まだ こない。
 はるかぜが こないと、おどれない。」
と ざんねんそうです。

空の 上で、お日さまが わらいました。
「おや、はるかぜが ねぼうして いるな。
 竹やぶも 雪も ふきのとうも、みんな
 こまって いるな。」
そこで、南を むいて 言いました。
「おうい、はるかぜ。おきなさい。」

お日さまに おこされて、
はるかぜは、大きな あくび。
それから、せのびして 言いました。
「や、お日さま。や、みんな。おまちどお。」
はるかぜは、むね いっぱいに いきを すい、
ふうっと いきを はきました。
     
はるかぜに ふかれて、
竹やぶが、ゆれる ゆれる、おどる。
雪が、とける とける、水に なる。
ふきのとうが、ふんばる、せが のびる。
ふかれて、
ゆれて、
とけて、
ふんばって、
  もっこり。
ふきのとうが、かおを
出しました。
「こんにちは。」

もう、
すっかり はるです。

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