Voialy【vol.30】男らしくあらねばという呪い
voice + diary = voialy
その日あった出来事や気付きを声の日記「voialy」としてお届けします。
昨日、今日が仕事はじめという方も多いと思うのですが、みなさんお正月はどのように過ごされたでしょうか。
我が家は毎年、大晦日は実家で過ごしていたのですが、今年は外出自粛ということもあり、結婚して(実家を出て)14年経ちますが初めて自宅で年越しをしました。
お正月に観たドラマ
まぁそんな年末年始だったんですが、今年は時間に余裕があるからか、割とテレビを見ているのですが、1月2日にTBSで「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマのスペシャル版をやっていたのですが皆さんご覧になりましたでしょうか。
簡単に説明するとこのドラマの主演は新垣結衣さんと星野源さんでして、2016年に連ドラとして放送していたのかな?
我が家は奥さんが星野源さんの大ファンで自分も新垣結衣さんは割と好きなので夫婦で見ていたんですが、連ドラでは、契約結婚から生まれた恋を経て、本当に結婚するまでを描いていて、お正月にやっていたスペシャル版はその後のストーリー。
結婚を決めてから子供を授かって、母となり父となっていく2人の姿を描いたものなのですが、選択的夫婦別姓、産休・育休、男性の育休取得、つわりによる体調の変化、セクシュアルマイノリティ、そして新型コロナウイルスから子供や家族をどう守るかというところまで描かれていまして、非常に見応えがありました。
男らしくあらねば
そんなドラマの中で、星野源さん演じる旦那さんの両親が安産祈願で九州から出てきた場面で、お父さんが星野源さんに対して「男たるもの、大黒柱としてしっかりと支えなければいかん」「家長としての責任がある」と熱く発破をかけるシーンがありまして、それに対して主人公の星野源さんは「大黒柱って古いんじゃないか」「夫婦2人の責任でやっていく」とお父さんに反論しつつもどこかモヤモヤ・・・それをドラマ内では「男らしくあらねばという呪い」と表現されているのですが、個人的にはこのセリフが自分は非常に刺さったんですよね。
"男らしさ"の設定は有害である
日本でもトキシック・マスキュリニティ(Toxic Masculinity)という言葉が、ここ数年聞かれるようになってきました。
「有害な男らしさ」という言葉で訳されたりもしているんですが、いわゆる「男らしさ」とか「男とはそういうもの」という言葉とか見方を指していて、社会が男性に対して男らしさを設定し、その“らしさ”に沿わない行動や思想を罵ったり、否定すること。
「男性だから泣いてはいけない」「男性だからリードしなくてはいけない」「男性だから稼がなくてはいけない」とか。。。
そんな"男らしさ"の設定は有害である。という考え方なんですが、何が有害かというと、結局この「男らしさ」はひとつの押し付けであって、男性の間で多様性をかき消し、例えば、その“らしさ”に共感できない男性は苦しむことになるし、それに対して悩んでいても誰にも相談できなかったり、男らしさをキープしなければというプレッシャーがより精神を苦しめたりする。
例えば、日本のテレビでは、いまだに少しでもタレントが「男性らしくない」言動をすると、「ゲイっぽい」「オネェかよ」となどと嘲笑したりする場面ってよく見ると思うんですよね。
発言した本人は差別していないつもりで「男らしくない」と言いたいだけなのかもしれないですが、「有害な男らしさ」の典型だったりするし、セクシャルマイノリティを揶揄していることでもある。
私はこんな場面をいつも不快に思っていたのですが、そんな日本のテレビで「男たるもの」という考え方「有害な男らしさ」を「男らしくあらねばという呪い」と表現しているのを見て、遂にここまで浸透したのかーと感慨深いものがありました。
ちなみにこのドラマではセクシャルマイノリティに対しても触れていて、子供の名前を考える場面で
「男性でも女性でも将来性別が変わることもあるからどちらでも通用する名を付けよう」
と星野源さんがサラッと言っていたりして、この点もおぉ~!という感じでした。
ということでなんだかドラマの宣伝みたいになってしまいましたが
今の社会的な問題、課題、価値観などうまーくエンタメに落とし込み、問題提起をしていきながらもストーリーは楽しめる、そんな上質なドラマだったかなと。
そんなドラマが新年早々に観ることができて非常に良かったなとそう思います。
もし興味持たれた方、TVerで見逃し配信もやっているようなのでよかったら観てみてください(ほんとドラマのCMだな)
それではまた!