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勉強嫌いからの脱却

勉強が好きならば何の問題もないが、多くの子どもは勉強=嫌い、しなくても良いならしたくない、必要に迫られたらやる、そんなところではないだろうか。教育に携わっていて一番難しいのは、勉強があまりできない(平均よりも下)、勉強もしたくないと思っている子どもをどのように「勉強をする」ように仕向けていくのかということ。

1、子どもの「意志」は無視できない

よくあるのが、我が子の成績を見てどうしようもないと思い、学校の先生や塾の先生に何とかできないかと相談にくる親。親がどにかしなければならないと焦っても、肝心の子どもはどう思っているのか。「問題」を感じなければ、余計なお世話と迷惑がられるだけ。ここで大切なのは、子どもが「現状」を理解し、勉強をやらなければならないと感じること。現状を理解させるのは、さほど難しい話ではない。相対的な数値や結果(模試の結果)さえあれば、子どもも自分の現状がわかる。学校の先生や塾の先生ならば、これまでの経験則を用いながら、より親身に話をしてくれることだろう。問題は、勉強を「やらなければならない」と感じさせること。ここは、しっかりとカウンセリングの時間を費やさなければならない。1回のカウンセリングで目の色を変えて頑張れるようになる子どももいるが、とても稀だ。たいていの場合、複数回にわたってしまうことがほとんどだが、「目標」と「動機付け」の設定は必要不可欠である。この初期設定さえしっかりすれば、良い状態でスタートが切れる。しかし、この「目標」と「動機付け」は実施する側の力量が問われるので、実施する側に自助努力を求めたい。

 では失敗してしまう例はどのようなケースか。親からの学習相談を受け、学校の先生でも、塾の先生でも構わないが、勉強のモデルケースを作ってもらい、子どもにそのスケジュールを与え、その通り実施しなさいと頭ごなしに指導するケースである。実は、よくあるケースで、日本の教育にはこうした一方的なタイプのものが多い。最大のミスは、子どもの「理解」や「納得」を完全に度外視してしまっっている点だ。

2、理想ではなく、確実な「一歩」を大切に

学校の先生や塾の先生に相談する際にどうしても理想を追い求めてしまう。例えば、国語・数学・英語すべてが芳しくない結果ならば、3教科の対応をとお願いするだろう。月曜日=国語、水曜日=数学、金曜日=英語のように。これまで勉強をほとんどしてこなかった子どもにとっては、生活習慣が劇的に変わる。もちろんやりたいこともやれなくなってしまう可能性がある。これでは、3日坊主一直線で、長続きはしない。

そうではなくて、例えば数学の計算問題のように比較的努力が結果にあらわれやすいものからはじめ、成功体験を積ませる。もちろん学習時間は、◯時間やりなさいではなく、やる内容・範囲を決めるだけ。まったく勉強をしていなかった状態から「少し」取り組むようになるわけである。その後は、徐々にやる内容を増やしていき、段階的に、やるべき教科・内容を拡げていく。

3、コミュニケーションを大切に

子どもにとって、先行きがわからないものには不安がつきまとうもの。勉強もその一れだと思う。適切なタイミングで適切な「量」の声がけをしていきたい。適切な量というのは、声がけをたくさんされることで、さらに力を伸ばしていける子どももいれば、コミュニケーションがあまり得意ではないので、必要最低限にしたいという子どももいる。子どもの性格をしっかりと見定めながらコミュニケーションをしていきたい。コミュニケーションによって、「見てもらえている」「一人ではない」そういった安心感につながっていく。不安を感じながら勉強をするのではなく、安心した状況で勉強をしてもらえるように努めるのも大人の役割である。

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