a flood of circle『WILD BUNNY BLUES/野うさぎのブルース』
『WILD BUNNY BLUES/野うさぎのブルース』
2024年11月6日に発売されたa flood of circleのニューアルバムについて、一通り聴いたところでの感想を。
文才も語彙力もなければ演奏知識もなく、歌詞とかメロディーとか歌詞とか曲順とか歌詞とか自分語りとか歌詞とかばかりです(笑)。思うままに。
1.WILDBUNNY BLUES/野うさぎのブルース
去年、『月夜の道を俺が行く』というフラッドファンに衝撃を与えたとんでもない名曲が爆弾を投下されて、無意識にそれと比較してしまう自分がいて(比較対象なのかはさておき、どちらも1曲目でどちらも歌始まり)、
正直あの曲ほどのインパクトを持ってるわけではないけど、スッと胸に入ってくるシンプルな良さがあるなぁと思う。
最初から辛口気味に聞こえたらごめんなさい、私この曲かなり好き。
何より、ライブでのパフォーマンスや空気感もセトリの曲順も、実はアルバム曲中で一番想像がついていない。もしかしたら後々に化ける曲じゃないかなって予想してる。楽しみ。
《誰一人こぼさない優しい歌からこぼれ落ちた人》からのフレーズは泣いてしまう。本当の意味で誰一人として置いてけぼりにしないフラッドのこういうところが好きです。
2.虫けらの詩
8月の野音公演の日にシングルとして発売、当日に披露、終演後にMV公開、MV後半が野音の映像…というとんでもないスピード感でファンをワクワクさせ続けるのがフラッドの強みの一つだと思ってる。自分の姿が一瞬だけ映ってるのもめちゃくちゃ嬉しい。
バンドのこれまでの事や今後の決意が詰まった熱い曲で、アルバム付属のドキュメンタリーで言われてた通り"得意分野"を感じるしかなりフラッドらしさがある。(ドキュメンタリー、個人的にこの曲のレコーディングのシーンがめちゃくちゃ良いので必見です。)
ちょっとキラキラ感ある曲調がドンピシャに好み、特に"誰もが光を〜"のところのメロディ、こういうのが好みであるというのを自分のプロフィールにしたい。
これまでのメンバーの入れ替わり、そして今年レーベルや事務所関係で色々あったからこその1番Aメロの歌詞はほんと何ともいえない気持ちになる。
個人的に《ごめんね 騙しきれなくて》のフレーズが特に刺さる、佐々木さんの不器用さが垣間見えるというか。
3.ゴールド・ディガーズ
ライブでの初披露は、情報を見落としてなければ2023年8月のアルカラとの対バン。フラッドで新曲初披露と参戦が被ったのはこの曲が初めてだったからこそ、今となってはこうしてライブ定番曲になっているところが純粋に嬉しい。
その初聴きの時からうわー!かっこいい!ってなって、何となくだけど曲展開が『Summertime Blues II』ぽいなって思った。(当時この曲を毎日10回以上聴いてる過激派だったからかどうかは知らない)そのうえで"今っぽさ"があったり、全体的にすっきりして聴きやすい、きっとストレイテナーのホリエさんの力はかなりあるんだろうなぁ。
"武道館でライブをする"目標を掲げた歌詞が印象的なのはもはや全人類思ってる事であるとして、3年後から2年後に変わってるところ、フラッドのこういう素直で潔いところ大好き。
この曲、かっこよさがありつつも、メロディに謎のトキメキがある(個人の感想です)。サビ後半の《当たるまで》にくるとこ、ここのメロディラインが私が大好きすぎるフラッド。
4.ひとさらい
会社の二次会とかで上司の前で歌いたい曲。(週明けに気まずい空気になる。)
1分弱の短い曲の中に、現代社会を生き抜く我々への(?)メッセージが詰まりまくってる。
《マイハニー》《こんなに可愛いお前を許さない世界なんか》《さらってやる》・・・と、佐々木さんの聴き手への寄り添い方のワードチョイスが強すぎるんだわ。それこそ『Honey Moon Song』等でも感じてたのだけど。
5.Eine Kleine Nachtmusik
アコギ曲、といえば『白状』や『本気で生きているのなら』枠とも思えるけど、今までとは違った空気感もある。音の聴こえ方がアナログっぽい、山小屋で録った独特の良さがある。
現時点で1番好きな曲。元々語彙力ないのはさておき好きすぎて言語化できない。
切なさだけではなく寂しさや消えてしまいそうな儚さ、情景が1枚の絵のように頭に浮かんでくる、そんな美しさもある。
《彼女》《あの子》については解釈が難しいのだけど、きっとそれは知らないままでいいかもしれない。聴く人の数だけ物語があるんだろうな。
6.D E K O T O R A
出だしからバチバチにかっこよくて優勝。
熱いけどダークみもあるし、何となく『I'M FREE』あたりの曲が好きな人は好きだろうなって。ライブでも盛り上がるところが容易く想像できる。
個人的にはこの曲における佐々木さんのボーカルの魅力詰まってるというか、表現力の幅が爆発しまくってるというか。そこも含めてライブで聴けるのが楽しみ。
7.ファスター
DEKOTORAからのファスターの繋ぎ方がエモい。
既にライブで何度か披露されてるけど、疾走感あって楽しい、曲も歌詞もどストレートな感じが聴きやすい。初めてライブに来る人も好きになってくれるんじゃないかなって思う。
MVに一貫性がなさすぎて逆に面白い。難しいこと考えずに気軽に楽しめる。
現在、公式で"好きなシーンをキャプチャしてSNSに載せる"的なイベントやってるけど、この手のMVだからこそ盛り上がるって絶対あると思う。ゴールド・ディガーズでもキャンドルソングでも虫けらの詩でもなく、明らかに選曲が正しい気がする。
8.キャンドルソング
ギリ昭和に生まれた我々世代は全員ASIAN KUNG-FU GENERATIONを好きだと勝手に思ってる。(00初期に中高生だった私はロックバンドをあまり知らずJ -POP人間だったけど、それでもアジカンは大好きだった。)
この曲のイントロを聴いた時、ゴッチーーー!!!(涙)ってなった絶対多いと思う、別にアジカンの曲っぽいってわけじゃないんだけどね、00初期曲あるある、独特のちょっと寂しい空気感というか。伝わってほしい。
今年1月にライブで初披露、3月にE.P.『CANDLE SONGS』発売、4月からのワンマンツアーの重要な場面で演奏された曲。もう既に大きな存在になっていてこれ以上無いと思ってたのに、このアルバムにおけるこの曲の存在が優勝すぎた。
"1つの(不完全な)結論"に辿り着いたような感動がある。お世辞じゃなくどの曲もそれぞれの色があって好きだけど、この曲には敵わない。ラスボスすぎる。
この曲の1つの大きなテーマは"孤独"であると思ってて。
大人になれば孤独なんて消えると思ってたけど、何も変わらなかった。一生続くんだろうか、この世で自分だけが孤独に思えてどうしようもなくなった時、痛みのない世界に行けたらどれだけ楽だろうなんて考えてしまう日もある。
でも本当は、何を手にしても手にしなくても人は一生孤独であって。それ事実を受け入れつつ、日々起こる葛藤の中で何を選択してどう生きていくか、なのかもしれない。
《孤独なんか内臓の一つじゃん/安定なら死ぬまでないぜ》
このフレーズを聴いた時、根本的に何かを解決するわけではなく、だけど不思議と世界の見え方が少し変わった気がする。
『Eine Kleine Nachtmusik』の主人公が行き着く先がこの曲であってほしいし、現実に疲れ孤独や寂しさを感じてる全ての大人が生きるヒントを得る曲だと思ってるから、要は全人類聴いてほしい。
9.ベイビーブルーの星を探して
・イントロの時点で「あ、好みの曲だ」って思ったし、アルバム後半、切なさがある曲の次に来る明るめの曲にか得られない栄養があるのです。
ところどころに入る可愛い表現(可愛い物好きの佐々木さんらしすぎる)やキラキラした青春を感じさせられる空気感が逆に泣けてしまうのは、自分もきっと大人になったんだろうな、なんて。
サビの後半の"夏が終わる"のフレーズで胸が締め付けられるの、30代以上なら解ってくれるのではなかろうか・・・。
この曲は(本当の)ファイナルの沖縄で聴きたい。チケット取っててよかった。情緒全部を沖縄に置いていく。
10.屋根の上のハレルヤ
温かさと優しさ溢れるバラード。私のフラッドで一番好きなアルバムは『GOLDEN TIME』なんだけど、それでいう『アカネ』の立ち位置を感じさせられる。
誰に向かっての曲なのか、"ファン"または"メンバー"説が濃厚なのだけど、個人的には後者であってほしい。
前者だとファンとして照れるからとかではなく、アルバムの着地点としてそっちの方がしっくり来る。
大事なスタッフが離れて、バンドがこれからどうしていいか壁にぶつかったのがキッカケで山小屋でレコーディングを聞いてたから。
そして辿り着いた先は"この4人でならきっと大丈夫"だったことも。
個人的に今回のアルバムの着地点を2つ感じて、
1つはキャンドルソングで長々と(本当に長々と)語った、"孤独との向き合い方"、
そしてもう1つは"a flood of circleのメンバー4人の絆"だと思ってる。
新しい目標を持って、ライブもレコーディングも色々やり方を変えていって、メンバー自身も今後バンドがどんな風に変化していくか分からないかもしれない。聴き手の自分だって検討持つかない。
それでも、今年初めから諸々不穏な話を聞いて少し不安になっていた自分にとって、「この4人がだったらきっと大丈夫」って思った。やっと安心できた、そんな作品になっていた。
とはいえ、もちろんファンへのメッセージも強く感じる1曲だと思う。
《どれだけそばにいても/最後は一人だから》
《俺たちが歌うから/今夜一人じゃない》
一定の距離感を持ちつつ、そのうえでしっかりと手を繋いでくれるところが佐々木さんらしいなって。
11.11
映画であれば『屋根の上のハレルヤ』で終わらせるのが一番美しいんだよね。
だけどあえてテツさんの作品を持ってきて明るく締めるところが、先ほど話したような"4人のフラッド"を感じさせるような、このバンドらしいエンディングに思えた。ある意味最高のハッピーエンド且つボーナスステージ感ある。
それこそ『GOLDEN TIME』の『Party!!』の空気感ある。
タイトルが『11』なのはアルバム11曲目以外に意味あるんだろうかは色々勘繰ってしまう。
まとめ
前々作『伝説の夜を君と』、前作『花降る空に不滅の歌を』がどちらも名盤すぎて、色んな意味で今作を聴くのが怖かったんだけど、想像以上に好きになってしまった。1曲1曲が強いのはもちろんだけど、アルバムとしての曲順がかなりしっくりくる。
正直この曲順でツアーやってほしいなって今のところなってるけど(笑)。だけど、ツアーで曲順が変わることで新たな発見が生まれるかもしれないよね、それが楽しみ。
ツアー終わった時点で改めて曲のレビューやれたらいいなって思ってる。
相変わらず長くてまとまってないですが・・・ここまで読んでくだりありがとうございます!