ほっこりダウト
これは僕が小学校5年生の時の話。
友達数人とトランプをしたときに、初めてダウトという遊びを知った。
ちなみにダウトとは、プレイヤー全員にトランプを均等にくばり、1枚ずつトランプを裏向きで場に置き、1から順番にトランプを出していく。
そのときに順番とは違う数字のトランプを出してもいいが違うのを出したときに「ダウト」と言われてしまうと、「ダウト」と言われた人は場のトランプを全部もらわないといけない。
逆に「ダウト」と言って順番にカードを出されてた場合は、「ダウト」と言った人が場にあるトランプを全部もらわないといけない。
それを繰り返して一番最初に自分が持ってるトランプがなくなった人が勝ち、というゲームだ。
人を疑ったり、嘘をついたりしてはいけないと教えられて育ったので上手くルールに適応こそできなかったがとても楽しかった。
ある日、父と当時小学校2年生の妹と3人でお留守番をしていた。
僕は今だ!と思い、ダウトというゲームを仕入れた旨を報告し、やろう!と提案した。
2人ともやったことはないが快く快諾してくれた。
ルール説明をし、順番をじゃんけんで決めた。
カードを出す順番は、妹が1番、僕が2番、お父さんが3番に決まり順番にカードを出していった。
僕はまだルールに適応できず、中々「ダウト」と言い出せなかった。
他の2人も嘘をつかない、人を疑わないという教育方針の元育ったからなのか「ダウト」と言わなかった。
結果、誰も「ダウト」と言うことなく、只々トランプを黙々と場に出し続け、じゃんけんで1番だった妹が1位になり、お父さんが最下位となった。
2人とも優しいので「このゲームは何が楽しいんだ?」という表情を隠そうとしてくれていたが全然漏れ出ていた。
お父さんはすごく負けず嫌いな性格だが今回ばかりは全然平気そうだった。
変な空気になってることを察したのか、妹がすかさずババ抜きをしようと提案してくれた。
ババ抜きはめちゃくちゃ楽しかった。