厳しい僕のお父さん

僕のお父さんはめちゃくちゃ厳しい。

今から父がブチ切れたエピソードを沢山書く。

ただ勘違いして欲しくないのは父は普段はめちゃくちゃやさしくて穏やかなので基本的に僕とは仲が良く、一緒にいるときはずっと喋ってるし20歳を過ぎてからも一緒にお風呂に入るくらい仲が良い。

ただ、そんな父が急にブチ切れたりするので普通の人に怒られたりするより数段怖い。

そんな厳しい父の話しだが、どれくらい厳しいかというと、僕が小学生の時お父さんは小学校のソフトボールクラブの監督をしていて僕もそのチームに入っていた。

そこでもよく怒る人でチームメイトづてにも谷のお父さんは厳しいと同級生達に伝わっていたようだった。

僕が中学生のときにめちゃくちゃヤンキーの同級生が、僕と同じくらい弱そうな子と僕で「タイマンはれや!」と言い出したことがあった。

「じゃあ、〇〇公園に19時に集合な」とそのヤンキーに言われたのだが、当然タイマンなんかはりたくないし、本当のことではあったので「ごめん、門限が18時半なので行けない」というと「お前のお父さん、厳しいもんな」となり、そのタイマンが中止になった。

このように抑止力としてはとてつもなく頼れるのだが、副作用はもちろんある。

小6のときに、父とお風呂に入っていたのだが風呂から出て服を着る時にパンツを履かず、肌着から着たところ物凄く大きな声で「お前変態か!」とブチ切れられた。

もちろん、今でもなんでキレられたかはよく分かってない。

そう、お父さんはただ厳しいのではなく、重度の癇癪持ちなのだ。

なので、お母さんが作ってくれたピーマンの肉詰めが生焼けだっただけで食卓をベタにひっくり返したりするし、家族でセルフの讃岐うどん屋に行ったときも、お父さんは釜玉うどんが大好きなので毎回頼むのだが、釜玉うどんの場合は普通のうどんよりも茹で時間が長いので毎回待たせられるのに腹を立てブチ切れて家族全員そのお店に行きづらくなったりするし、赤ちゃんの横でも平気でブチ切れる。

こんな感じでお父さんがどのタイミングでブチ切れるかは誰にも分からない。

多分、父も分かっていないと思う。

でも確定でブチ切れるのが家族の誰かが泣いてるときだ。

父は人の涙を見るとなぜかイライラしてしまう癖があり、他人が泣いててもイライラはするがモラルはあるのでキレないが、家族が泣いているとお葬式以外はブチ切れてしまう。

逆にお父さんの涙はほとんど見たことがない。

だが、一度だけ泣いてるのを見たことがある。

それは僕のおじいちゃん(お父さんのお父さん)が亡くなったときだ。

僕のおじいちゃんはお父さんのお父さんなので、僕のお父さんに輪をかけた癇癪持ちでどのコミュニティーに入ってもケンカして抜けてくるのだ。

老人ホームにおじいちゃんが入ったときも2週間に1回はトラブルを起こし職員さんに呼ばれ両親が注意を受けたりしていた。

元々おじいちゃんとお父さんは仲が悪く、その件でもっと溝は深まった。

なので、よくおじいちゃんのことで癇癪を起こしおじいちゃんのことを「めちゃくちゃ嫌いやわ」とよく言っていたが、おじいちゃんが亡くなったときの葬式でツーッと涙を流した父を見て、ちゃんとお父さんもおじいちゃんのことを嫌いと言いつつ本当は好きだったり感謝してるところはあるんだと思い、おじいちゃんのことも大好きだったのでグッときて泣きたくなったが、もう僕は気軽に泣けるような体ではなくなっていた。

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