検査・感染状況・実効再生産数、感染状況と陽性割合の県別比較(2022/9/2)

少しづつ陽性確認数が減っているようなので、検査数との関係を確認してみました。陽性率が高い時に検査が減れば、陽性確認数は確実に減る。ならば今の減少傾向が本当に減少しているのか、それとも検査が減っているからなのか。そんな疑問からデータ確認を確認していきます。

今回はグラフが4つです。

左上:検査数(折れ線青)、陽性確認数(棒緑)、推定される陽性率(点線赤、右軸)のグラフです。
青い折れ線グラフが緑の棒グラフからできるだけ離れていることが望ましいし、本来なら少なくとも検査数が陽性確認数より必ず上に来るはずが、そうなっていない県もあります。無料検査を発表する検査数に入れるかどうかなど、県毎に違いがあるものと思われます。

右上:陽性確認数とその移動平均を片対数グラフで示したもの。片対数グラフなので、感染拡大が指数関数的か確認できます。

左下:実効再生産数=\displaystyle e^{\frac{2}{7}\times{\log(a/b)}}, a=ここ1週間の陽性者数, b=その前1週間の陽性者数。(定数は東洋経済が採用しているものを使用)
実効再生産数は、中央の陽性確認数が増加している時は1より大きく、減少している時は1より小さくなります。わかりやすくするため、1に青線を入れました(時期がわかるように奇数月のみ)。
実効再生産数が0.96の時は1週間で1%減。
実効再生産数が0.93の時は1週間で2%減。
実効再生産数が0.95の時は1週間で15%減。
実効再生産数が0.90の時は1週間で30%減。

右下:横軸が陽性割合、縦軸が人口10万人あたりの陽性確認数を散布図として示したものです。5月は緑、6月オレンジ、7月グレー、8月青、9月はピンクです。最新の点はオレンジの点で示してあります。
理想は散布図が左下に集まること。陽性者数が少なく、陽性割合も低い状態です。
散布図が右上に伸びている時は、感染拡大で検査が追い付いておらず陽性割合が増加していることを意味します。つまり陽性者の捕捉ができていないことがわかります。陽性割合が減り、陽性者数も減っていたら、本当に減っているのだろうと理解できます。散布図は左下に動いていきます。

出展は、東洋経済のデータです。検査数は県によってばらばらですが、そのまま表示しています。



1 北海道

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2 青森県

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3 岩手県

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5 秋田県

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6 山形県

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7 福島県

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8 茨城県

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9 栃木県

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10 群馬県

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11 埼玉県

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12 千葉県

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13 東京都

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14 神奈川県

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15 新潟県

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16 富山県

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17 石川県

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18 福井県

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19 山梨県

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20 長野県

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21 岐阜県

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22 静岡県

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23 愛知県

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24 三重県

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25 滋賀県

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26 京都府

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27 大阪府

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28 兵庫県

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29 奈良県

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30 和歌山県

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31 鳥取県

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32 島根県

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33 岡山県

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34 広島県

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35 山口県

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36 徳島県

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37 香川県

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38 愛媛県

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39 高知県

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40 福岡県

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41 佐賀県

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42 長崎県

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43 熊本県

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44 大分県

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45 宮崎県

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46 鹿児島県

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47 沖縄県

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検査数に関しては、恐らく集計方法が県ごとに異なるため、県ごとに数字を比較することはできません。それでも陽性割合の時系列の比較は意味があるはずだとしてグラフ化してます。

全ての県で、陽性確認数は減少しています。一方、陽性割合の減り方は県ごとに多少の違いがあります。

東京、福井、和歌山と福岡には、陽性確認数の減少傾向に特徴があるようです。現状の陽性確認数と、陽性確認数増加時の陽性確認数が同じ時の陽性割合を比べると、陽性割合が現状の方が高い。つまり、感染者数が増加傾向にあった時よりも検査が少ないということです。増やせるのに検査を増やしていない、ということです。

その逆が、栃木、山梨、石川、愛知、三重、京都、大阪、兵庫など。検査をそれほど減らしていないので、陽性割合が下がりつつあるようです。

結論として、まだまだ陽性割合が高いため、見落としはあるものの、多くの県では陽性者数は減少傾向であると考えられると思います。