イスラエルの感染者減少に転じるも再急増?実はデータの乱れでした。
14日の時点では少し減少方向が見え始めたかと思っていたイスラエルの新規感染者が、また急増したように見えました。そこで今回は、イスラエルのデータから読み取れることを考察してみます。
たった2日でこのように増えたので、日々の感染者数を確認してみました。と言うのも、上のグラフは、元々は日々のばらつきを排除するため7日の移動平均のグラフだからです。
日本も週末は感染者数が低く出るので、7日の移動平均をとると、普通は週末の落ち込みを平準化でき、見やすくなります。しかし詳細を見る時には不向きです。
イスラエルでも日毎のばらつきがあるようです。ところがもう少し詳細に見ると、9月6,7日の2日連続でゼロになっていました。そして8日は、2536というとてつもない数字になっています。(他にもないか確認すると、今年2月20日はゼロですが、2日続けてという例は見当たりませんでした。)
詳細はこちら。(最近2か月分)
ほぼ1日おきに上がったり下がったりしています。しかし9月6,7日の前日5日も比較的少ない値だったことがわかります。つまり、この3日間はそれまでのトレンドと比べ、明らかに少ないです。8日にはそれを補う形で増えたようですが、それでも5日~8日の合計は約3063、平均は766でトレンドより少し少なく見えます。(勿論このデータだけからでは理由はわかりません)
この影響(つまり少し減ったかに見える4日間)があったが、元に戻った。このため7日間移動平均が一旦少し下がり、また増えたように見えていると解釈できます。
続いてもう少し詳細に増加の傾向を見るために、片対数グラフにしてみましょう。
片対数グラフで直線的に増えている時は、数値では指数関数的な増加です。このグラフを見ると、7月は後半から少しづつ傾きが小さくなってきているるように見えます。別の言い方をすると実効再生産数が少し下がって来たと推測できます。
そこで実効再生産数の確認をしてみましょう。
すこしづつですが、下がっていることがわかります。しかしまだ1より大きく、感染者数増加の傾向は続いています。それでもほぼ同ペースで実効再生産数が下がり続けているように見えることは、良いニュースと言えるでしょう。
続いて興味があったので、検査数と陽性率を調べてみました。
ここからは比較のため、日本のデータも入れてあります。日本より、10倍程度は検査数が多いことがわかります。
続いて陽性率。
日本も陽性率が高いことが知られていますが、イスラエルもどんどん高くなっていることがわかりますね。これはつまり、検査が追い付かない状態になっていて、まだまだ感染者が増加するトレンドは続きそうだと予想できます。
最後に。これは絶対に9月6,7日はイスラエルにとって特別な日だろうと考え、調べてみたらありました。9月6日がユダヤ歴の新年前夜、7,8日が新年でした。すべてのデータの乱れは、この影響だった、というのがとあえずの結論です。
・9月初めのデータに乱れがあった
・一旦下がったように見えた感染者数は、実際には減っていなかった
・実効再生産数は減少傾向になってきたが、まだ1より大きい
(誤字修正しました。10/4)