すでに指数関数的増加が収まりつつある県もある
日本の陽性確認数はほぼ指数関数的に増加しています。しかしすでに増加が鈍化している県もあるので、確認してみました。しかし全体として増加の頭打ちもまだほとんど見えないと思います。
まず、全国の状況です。2022年1月から、7日移動平均に補助線を入れ、片対数グラフにしたものです。片対数グラフではほぼ直線的に増加中。
しかしすべての県で同じ傾向があるわけではない、特に島根のように増加の立ち上がりが早かった県では、すでに増加傾向が止まり、実効再生産数は1にまで下がりりました。その他の件は全て1超です(つまり感染確認数は増加中)。
島根県:1.00
どちらも人口10万人あたりの陽性者数と7日移動平均、2022年初めからのグラフです。右は片対数グラフになっています。5月初め頃から急激に立ち上がり、指数関数的に増加するも、すこしづつ傾きが鈍化したことがわかります。
実効再生産数も6月1日以降に限定してグラフ化してみました。一気に増加したものの、恐らく注意喚起や飲食店での人数制限、そしてとにかく感染が広がらないことを優先した検査体制などを行うことで、1まで下げることができたようです。
栃木県:1.28
今一番実行再生産数が大きいのが栃木県でした。1.28です。
実効再生産数が高くなり、その後は少しだけ下がった状態です。つまり現在まだ増加が指数関数的であることがわかります。
以下、各県の状況です。1 北海道、8 茨城県、35 山口県、39 高知県は、実効再生産数でさえ増加傾向です。多少減少傾向がみられる県もありますが、値が1以下になってはじめて減少に転じるわけですから、しばらく増加の傾向は止まらないのではないでしょうか。
1 北海道
2 青森県
3 岩手県
4 宮城県
5 秋田県
6 山形県
7 福島県
8 茨城県
9 栃木県
10 群馬県
11 埼玉県
12 千葉県
13 東京都
14 神奈川県
15 新潟県
16 富山県
17 石川県
18 福井県
19 山梨県
20 長野県
21 岐阜県
22 静岡県
23 愛知県
24 三重県
25 滋賀県
26 京都府
27 大阪府
28 兵庫県
29 奈良県
30 和歌山県
31 鳥取県
32 島根県
33 岡山県
34 広島県
35 山口県
36 徳島県
37 香川県
38 愛媛県
39 高知県
40 福岡県
41 佐賀県
42 長崎県
43 熊本県
44 大分県
45 宮崎県
46 鹿児島県
47 沖縄県
希望は島根が上げどまったらしいこと。そして検査が充実している鳥取でもピークが近そうであること。
しかしまだ減少に転じるには時間がかかりそうです。特に実効再生産数が増加または一定である県が複数あること。多少の減少がみられる県もあるが、実は3連休の影響である可能性があること。首都圏で実行再生産数が多少の減少傾向に見えますが、検査が足りていないので実際には見つかっていない陽性者も多いと思われること。沖縄で全く減少の傾向がみられないことも懸念材料と言えるでしょう。
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データは、東洋経済のページからダウンロードしたものを使っています。