10代20代男性の心筋炎はやはり怖い
若い男性のワクチン接種で心筋炎が多いという話題があります。10月22日の会合で出された資料から、この部分を少し分析してみました。
まず元資料です。
これの元資料は、「第71回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第20回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)」の資料「資料1-6―1 副反応疑い報告の状況について」にありました。33ページなど。
この情報から、年代、ワクチン種別、男女、の何処に統計的な有意差があるかを調べてみました。(今回も、後ろ向きの評価なので、そして報告漏れがあると思うので、本当はもっと数が多いかも知れないことを留意しつつ、参考として。)
有意な差があったのは、
・ファイザーの20代:男性と女性
・モデルナの20代:男性と女性
・男性10代:ファイザーとモデルナ
・男性20代:ファイザーとモデルナ
でした。下記グラフでは赤い実線で囲ってあります。(モデルナの10代女性、70代、80歳以上はデータがなく評価できません)
ファイザーの70代の男女、男性40代のファイザーとモデルナ、女性40代のファイザーとモデルナ、も多少の差がありましたが、z=1.6程度でした。下記グラフの緑の点線で示しています。グラフで見ると、例えば30代女性にも差があるように見えますが、症例の数が少ないため、有意な差になっていません。
どう考えても、報道されているとおり、10代、20代男性はモデルナは避けるべきだし、20代男性は20代女性よりもどちらのワクチンもリスクが高い、ということです。
もっとわかりやすく報道して欲しいと思います。