検査・感染状況・実効再生産数の県別比較(2022/7/27)
陽性確認数が最多を更新する中、検査の状況、実効再生産数の現状を把握するために、グラフをアップデートしました。今回はグラフが3つ。
左:検査数(折れ線青)、陽性確認数(棒緑)、推定される陽性率(点線赤、右軸)をグラフ化しました。
青い折れ線グラフが緑の棒グラフからできるだけ離れていることが望ましいし、本来なら少なくとも検査数が陽性確認数より必ず上に来るはずが、そうなっていない県もあります。無料検査を発表する検査数に入れるかどうかなど、県毎に違いがあるものと思われます。
中:陽性確認数とその移動平均を片対数グラフで示したもの。片対数グラフなので、感染拡大が指数関数的か確認できます。
右:実効再生産数=$${\displaystyle e^{\frac{2}{7}\times{\log(a/b)}}}$$, $${a=}$$ここ1週間の陽性者数, $${b=}$$その前1週間の陽性者数。(定数は東洋経済が採用しているものを使用)
実効再生産数は、中央の陽性確認数が増加している時は1より大きく、減少している時は1より小さくなります。わかりやすくするため、1に青線を入れました(時期がわかるように奇数月のみ)。
実効再生産数が1.10の時は1週間で40%増、2週間で2倍というペースです。
実効再生産数が1.20の時は1週間で90%増。
実効再生産数が1.30なら1週間で3.3倍です。2週間なら10倍。
すべて2022年1月1日から7月27日まで。元データは、東洋経済のページからダウンロードしました。それぞれグラフの縦軸は同じスケールになっているので、上下で大小の比較ができるようになっています。
1 北海道
2 青森県
3 岩手県
4 宮城県
5 秋田県
6 山形県
7 福島県
8 茨城県
9 栃木県
10 群馬県
11 埼玉県
12 千葉県
13 東京都
14 神奈川県
15 新潟県
16 富山県
17 石川県
18 福井県
19 山梨県
20 長野県
21 岐阜県
22 静岡県
23 愛知県
24 三重県
25 滋賀県
26 京都府
27 大阪府
28 兵庫県
29 奈良県
30 和歌山県
31 鳥取県
32 島根県
33 岡山県
34 広島県
35 山口県
36 徳島県
37 香川県
38 愛媛県
39 高知県
40 福岡県
41 佐賀県
42 長崎県
43 熊本県
44 大分県
45 宮崎県
46 鹿児島県
47 沖縄県
検証はできていませんが、グラフを見て感じたこと:
・実効再生産数が1を下回っているのは、島根県のみ。
・島根では、下がる傾向がしっかりみられるのは、島根県に加えて鳥取。神奈川県と佐賀県でも低下傾向(しかし検査が足りていない可能性がある気がします)
・多くの県で実効再生産数はピークを越えたものの、一貫した低下にはなっていない。
・実効再生産数さえ増加傾向の県がある。(北海道、宮城、富山、広島、高知、長崎)
・近い県では、実効再生産数の推移が似ているように見える
最後に全国の状況です。
このグラフは、2020年からの日本の陽性確認者のグラフ(片対数)に、補助線を入れたものです。「根拠はないが、予測をしてみた」を書いた7月23日までが赤、その後は濃い青になっています。
幸いなことに、少し前に予測したカーブより僅かですが増加傾向が減速しているようです。