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データリテラシーについて考える

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数学・統計を元にデータリテラシーについて考えるためのヒントです
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#ワクチン

女性セブンが「ワクチンを打った人の方が新型コロナに罹りやすかった」という記事を書いた。40代、60代、70代が罹りやすいと。これで1年前の人口データを使っていることがわかる。この記事を読むと、逆に80代以上はあたかも効果が続いているように理解できてしまう。まずいんじゃないか。

なぜ1年前の人口データを使うことが問題なのか

「未記入を未接種に」問題には続きがあります。年齢階級別人口データとして1年前のデータを使って人口当たりの陽性者数を示すと何が問題なのかを、改めて整理してみようと思います。(内容はこれまで書いたものとほぼ同じ。あまり整理できていないと感じたので、補足説明を加えながら整理してみました。) 結論: ・未記入を未接種とすることで、未接種の感染者数が多く計上していた ・1年前の人口データ利用により、高齢者のワクチン効果が高く見えている ⇒データを操作しようとしても、結局どこかで破綻す

どうしても理解できないこと

新型コロナ・ワクチン関係で、どうしても理解できないことがあります。新型コロナは風邪のようなものだという考え方です。 前提として、   「最悪を想定して最善を尽くす」 という考え方をとります。これは言い換えると、    (1)不明なことは危険だと仮定して警戒、(2)危険がなければ(3)警戒を緩める ということです。 (1) わからないことが起きたら、まずは最悪を想定して慎重に行動、できるだけ危険かも知れない状況から遠ざかる (2) できる限り様々な立場の人からの情報を収集して

有効率100% ?!

五月雨式に書くのはやめようと思ったのですが、このニュースには反応しないではいられないです。この記事は、悪しき記事の典型なのではないでしょうか。(新しい情報を見つけたので、大幅に修正・追記しました:最初の投稿は午後、修正は夜) タイトル:米ファイザー、コロナワクチン12─15歳の強い長期免疫効果確認本文:[22日 ロイター] - 米ファイザーは22日、独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、12─15歳を対象とした後期臨床試験(治験)で強い長期的な免疫

検索エンジンと情報統制

浜崎あゆみがアナフィラキシーショック、というニュースを見て感じた違和感について書いてみます。 アナフィラキシーは、確かにいろいろな原因で起きます。しかし今ならそのアナフィラキシーが新型コロナワクチンに関係するのかが、気になります。だからワクチンは接種済みなのか、いつ接種したのか、などを調べてみたくなりますね。違うなら、別の可能性を探ればいい。それでまずGoogleを使って検索した結果がこれです。キーワードは「浜崎あゆみ ワクチン」 安定してきたらしいことは良かったです。で

データの一部だけで解釈するのはやめよう

最近のスウェーデンとイスラエルの(相対)死者数を比較して、ワクチン4回目の接種など考えずに放っておけば収束するんじゃないか、という投稿を見ました。今回は、一部のデータを取り出して解釈しようとすると何が起きるかを考えてみましょう。 投稿されていた期間と同じグラフはこちら。 確かに、この期間の前半は、スウェーデンもイスラエルも同じように死者が減って来たのですが、8月に入ってからイスラエルだけが急増しているように見えます。3回目のワクチン接種が始まった後に急増、というのは正しい