マガジンのカバー画像

データリテラシーについて考える

33
数学・統計を元にデータリテラシーについて考えるためのヒントです
運営しているクリエイター

#区間推定

世論調査が信頼できるかを見極める最低限のこと

東京都知事選が気になっている。特にその世論調査は気になる。今回は、 に感じた統計的視点からの違和感を紹介し、信頼できない世論調査とは何かを考えてみたい。 内閣支持率など、同時期に行われても新聞社毎に結果が違うから信頼できない、という人がいる。しかしそれは違う。意味がわかれば違うのは当然であることがわかる。同時にどのような調査なら信頼できる可能性があるかを示してくれている。 そして何より、「調査結果はこうでした」という結果だけ示されて信じてはいけない。 まずは発信者側が

「傾向は認められるが有意性は確認できない」の意味

言葉を正確に理解するには、知識が不可欠。それがはっきりわかる例の1つが、この「傾向は認められるが有意性は確認できない」だと思います。 最近目にするのは、多くの人が関心を持っているであろう新型コロナウイルスの治療薬、塩野義製薬のゾコーバと、少し前の富士フイルムのアビガンだと思います。ゾコーバについては、「塩野義のコロナ飲み薬なぜ承認されない? 薬学の識者が語る「課題」」で説明があります。例えば「薬の効き目は微妙なところがあり、データを見ても有効性はすっきりとは示されていない。