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グリム童話は好きですか?~おすすめの漫画紹介~

スタッフでnoteを回すと聞いてから、絶対に就活について書きたいと思っていました。思っていたのですが、いざ書き始めてみると書きたいことがあまりにも多すぎて纏まりきらなかったので、就活について書くのはもう少し構成を練ってからにしようと思います。

就活の文章に沢山時間を使ったのに書ききることが出来なくて結構ショックなので(あともう夜も遅いし)、今日は無難に私の好きな漫画を紹介したいと思います。

ところで皆さん、グリム童話は好きですか?

私は大好きです。
保育園児だった頃、家に何冊もあったグリム童話の分厚い本を隅から隅まで何度も読み返すくらいには好きでした。

当時家にそのくらいしか娯楽がなかったというのもありますが、保育園児の私はとにかく「お姫様」「魔女」「森」「猟師」「秘密の小部屋」「金貨」「オオカミ」というような、童話の中に頻出のモチーフが大好きだったんです。

シンデレラやヘンゼルとグレーテルといった王道の作品ももちろん好きでしたが、たった1、2ページしかないような「え、これで終わり...?」と思わず突っ込みたくなるほど謎の多い物語の方に強く惹かれました(グリム童話にはそういう物語の体を成していないように思えるお話が結構あります)。

具体例をあげると「トゥルーデおばさん」や「コルベスさま」なんかは、保育園児の頭にはまるで理解できず、それでいてどこか不気味で気に入っていました。

こうしてグリム童話オタクの5歳児が出来上がったわけですが、私のようにグリム童話が好きだった過去のある人にぜひ読んでもらいたい漫画があります!

それがこちら

諸星大二郎『グリムのような物語 トゥルーデおばさん』

です‼️(こちら実は『グリムのような物語 スノウホワイト』という続編があって、そちらもオススメです)

この漫画は、作者である諸星大二郎先生がグリム童話を読んで抱いた疑問や独自の解釈を盛り込んで、先生自身の視点からグリム童話を再構築したものになります。

1. Gの日記
2. トゥルーデおばさん
3. 夏の庭と冬の庭
4. 赤ずきん
5. 鉄のハインリヒ または蛙の王様
6. いばら姫
7. ブレーメンの楽隊
8. ラプンツェル

以上8つの物語が収録されている短編集です。

1つ目のGの日記以外は、タイトルを見てどのお話が元になっているかすぐ分かるのではないでしょうか。
収録されているお話は全編お気に入りですが、私が好きなのは「Gの日記」、「赤ずきん」、そしてなんといっても「トゥルーデおばさん」です。

諸星先生ver.の「トゥルーデおばさん」を読んだ時、長年抱いていたモヤモヤとしたイメージが可視化されたことへの感動と共に、あの「トゥルーデおばさん」をこんなにも物語として膨らませることが出来るのか!という感動が全身を駆け巡ったのを覚えています。

「赤ずきん」は恐らく本作の中で1番わかりやすく、どんでん返しもあり読みやすい作品です。

「Gの日記」はというと、「これ本当にグリム童話?マイナーなお話がモデルなのかな?」と思いながら読み進めていくうちに、「これって○○○○だったんだ!」とモデルになったお話がわかる瞬間が来るのがめちゃくちゃ気持ちよくて癖になります(?)。「トゥルーデおばさん」同様、あのお話をこんな視点から書くことが出来るんだ!という驚きがあり、こちらも特にお気に入りです。

なんだか全部の感想がオーバーな気がしますが、本当にそのくらい衝撃だった作品です。もちろん、グリム童話はディズニー作品になってるものくらいしか知らないよ..という人でも、充分楽しめるものになっています。

少し調べたらこの漫画は現在紙の本で手に入れることが難しく、電子書籍で購入するのが1番手っ取り早い読む方法みたいです。(T+スタッフでもし読んでみたいなと思う人がいれば、私まで連絡ください😌)

この漫画でなくとも、グリム童話はネットでほぼ全ての作品が読めるみたいです。少しでもグリム童話に興味を持って頂けたなら、是非本家のものも読んでみて欲しいなあと思います。

それでは、最後に「トゥルーデおばさん」のテキストを貼って終わりにします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

トゥルーデおばさん
 昔、分からず屋で詮索好きな女の子がいました。両親が何かするように言ってもいうことをききませんでした。ですから、どうやってうまくやれるでしょうか。ある日、その子は両親に言いました。「トルーデおばさんの噂をたくさん聞いたことがあるわ。いつかその人のところへ行ってみよう。その人のいろんなことが変わってて、家の中にはとても変なものがあるっていうから、とても知りたくなったわ。」両親は断固として禁じて、「トルーデおばさんは悪い人だよ、わるいことをするんだ。もしお前が行くなら、もう家の子じゃないよ。」と言いました。
しかし娘は両親の禁止に耳をかさず、やはりトルーデおばさんのところに行きました。娘がやってくるとトルーデおばさんが聞きました。「おまえは、どうしてそんなに青い顏をしているんだい?」 娘はからだ全体をふるわせながら、答えました。「見たものがとてもこわくって。おばさんの家の階段で、まっ黒な人を見たのよ」「それは、炭を焼く男さ」「それから、緑の男も見たわ」「それは、狩人だよ」「そのあとに、血みたいにまっ赤な男に会ったわ」「それは、獣を殺す男だよ」「ああ、怖かったわ、トルーデおばさん。家のまどから見たら、あなたではなくって、本当にそう思うんだけど、頭が火で燃えている悪魔が見えたの」「ほおー!じゃあ、おまえはちゃんとした衣装の魔女を見たんだね。わたしはおまえをずっと待っていたんだ。もう長い間おまえが必要だったんだ。おまえに光をもらおう。」 そうしておばさんは、娘をひとかたまりの木材にかえてしまい、それを火に投げ入れました。そしてパアーと燃え上がると、そのそばに座って暖まり、「なんとも明るい光だわい。」と言いました。(Grimmstories.comより)