Nathan East on Billboard Tokyo
Eric ClaptonやFourplayでのNathanはおなじみだけど、どうせならソロで近くで見たい、とずっと思っていたので、今回のビルボードジャパンのソロツアーは念願が2つ同時に叶った感じ。
この日本公演には、彼の盟友Michael Thompson(G),Steve Ferrone(Dr),実の弟James East(B)を中心に、Kaleb James(Key),Norihito Sumitomo(Key),Jack Lee(G)という布陣のスペシャルバンド編成。
中でも主役のNathanは勿論だけど、Michael Thompsonを生で見れたのは、とてつもない収穫だった。超音デカいがなぜFirst Callであり続けるのかというのがはっきり分かった。LAの白人セッションギタリストはこれまでも何度か見ることがあったので、あの音のデカさやレンジの広さはある程度予測していたが、出るとこでとことん出る、引くとこでガチっと引く、でもここぞというタイミングで装飾を加えてくる、というのを痒い所に手が届くあの感覚でやってくれるのでとても気持ちいい。ソロやバッキングの後もなんか引きずっちゃうギタリストも少なくないが、それが全くないので、バチっと場面が変わるのが気持ちいい。色んな意味でダイナミクスが素晴らしかった。シンプルなプレイや音色に拘るのもいいけど、ギターでできる事を全てやり尽くした上でのシンプルさはまた格別なのだ。
ダイナミクスの広さで言うと、Steve Ferroneのプレイも良かった。英国出身の彼だが、LAの音楽シーンの屋台骨の1人でもある。意外だったのが、キット一つ一つの口径が小さく、タムとバスドラは標準的なピッチより低め、ルーズめ、そして、スネアは更にルーズにセットアップされていたことだ。ただ、セッティングはルーズめだけど、打点とピッチの一番気持ちいい所をここぞという所でスパーン!と決めてくる。今まで見たドラマーの中で一番ドラムセットをフル活用していたように思う。バスドラにしても、ビーターの当て方や当てる長さをここまで自在にコントロール出来るものなのか!と度肝を抜かれた。本人はきっと感覚的にやってるんだろうけど。叩き方は基本的に力を抜いていて、重心が全くブレないモーラー奏法。力は入れてないけど、腕を振り上げるピークからのヒットの仕方が理に適ってるので、きっちり「鳴る」し、ノートの長さの使い方も目からうろこ。同じLAベースのミュージシャンだとHarvey Masonもダイナミクスの使い方が広いドラマーだったし、LAのミュージシャンのキーの一つはダイナミクスなのかしら。なんて。
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