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Studio One 3内部音源でのデモ曲!(裏話もあるよ)

DAWをStudio One 3にスイッチしたってことで、内部音源&FXのみでデモ曲を3曲ほど書きおろしました。 https://soundcloud.com/tetsuyatanaka/sets/studio-one-3-stuff

この曲たちの大まかな説明はブログを見て頂くとしまして。 http://tsute2.com/studio-one-3-demo-songs/

ここでは、このデモを含め、自分がトラックメイクに包括的に関わる際、どこに気をつけてるかをノートしておきます。

普段やらせて頂いてるチームでは、1.ディレクションのみの場合、2.自分でもトラックを作ってディレクションする場合、3.自分でトラックを作って後はお任せパターンの場合と、この3つに分かれます。制作する後者2パターンでは、主にドラムとベース、たまにエレピを作って上モノは他のメンバーに渡します。日本で頂くお仕事だと現状3番目が多いです。

僕が契約を結んでいる海外チームでは、全体をまとめる人がおり、その下にアレンジャーとミキシングエンジニア、そして僕が関わっている実際に作る人たちの軍団。だいたいこの図式でやります。

最近は作る人軍団のディレクションもしていて、方向性の指示やダメ出し、褒める(これ大事)などをします。

前置きが長くなりましたが、それをやっていて気付いた、音楽を良くするうえで知っておいたほうがより良くなるかも!という3点。

1.発音タイミング

僕が以前レッスンしていた際、よく拍「オン」でドン!だ、と訳の分からない事を言ってました。

有名無名問わず、殆どの日本人演奏者、ボーカリストが拍「オン」から音を出し始めます。或いは「オン」なる前に発音し終わってしまってる場合もあります。

対して海外の人は、拍「オン」のピンポイントでその楽器や声の波形の一番オイシイ部分を出します。これがドン!と表現する所以です。ちょっとしたコツもあるので、要望があればこの部分について国別、図や音源もありで有料ノートにて説明しますが、その違いは本当にでかいです。

日本ではそこまでだけど海外で人気があるバンドは大体発音タイミングがいいパターンが多いですね。そこだけではないですが、それが大前提なのは間違いないです。

なんで拍「オン」でドン!が重要かというと、単純にそうでないと踊れないんです。殆どのポップス、ダンスミュージックはステップや体の動きに準じて音が作られますし、PVなんかで海外のダンサーたちが寸分違わず動けているのはこの前提ありきなのです。

あと、この拍「オン」でドン!が出来ると、音のぼやけが絶対的に少なくなります。ボーカルも楽器も本来の音が出ます。それだけでミキサー操作のオートメーションがある程度省略できたりします。何よりその曲の景色がきっちり広がります。何かぼんやりするなぁ、と思ったら7割がたこの発音タイミングが糸を引いてます。

2.音を足しすぎない

実は今、海外の音楽シーンは、メジャーマイナー問わずトラック数はどんどん減っています。ボーカルに関しては昔とそこまで変わらないですが。ある意味で昔に戻っているかも知れません。

音源のプリセットから更にレイヤーするのは結構稀です。ジャンルによって多少違いはありますが、例えば2015年前半のTOP40で音数ツメッツメの曲って実は半分もないんですね。今主流のソフトシンセにしても、良いものが出回っていますし、逆に足しすぎると曲の骨格がどんどんぼやけますし、1の発音タイミングの調整もその都度しなければいけません。

まあ、これに関しては流行り廃りもあるので、また音ツメッツメの音楽のブームが来るかもしれませんが、一方で、今も昔も残っている作品はシンプルなものが多いのはこの要素があるからではないかな、と思います。

3.いつまでも決まらない or いくら聴いても違和感を感じたら別の曲にとりかかる

何をどうやっても良くならない場合はありますね。そんな時はその曲を一時的にポイしちゃいましょう。無責任にみえますが、他の曲にとりかかったり、ちょっと間を置くことによって、どこが悪かったかが見える場合や、新たなアイディアが浮かぶ場合もあります。あまり1曲に固執しすぎないことですね。

僕はいつも4曲前後を同時進行で作ります。1曲にウンウン言うより遥かに進みは速いです。別曲の制作中に「あの曲こうやったらどうかな?」というアイディアが浮かびやすいですね。

あと、大きいのがミックス等の仕上げ作業に入った時。同時進行だと、ある程度方向性をバラけさせることができ、差別化がしやすいです。

それでもダメなら…?

この3つで解決出来ない場合、最低限の音楽の歴史を知っていない、或いは有意義な練習をしていないと考えてます。事実、僕が過去に関わらせて頂いた方々の中にも「もう少しこの辺の時代掘り下げたらもっとスムーズに作れるのにな」「この人この辺り勉強したら怖いものなしでしょ」「こんな所でスタックしてる間があったらもっと音楽聴こうぜ」と感じる方は多かったです。

音楽やってるのに音楽を知らないというのは本当にもったいないと思ってます。人によってもちろんツボは違いますが、これは負けない!って分野をきっちり掘り下げておくと強みになりますし、それを知ったうえで他の分野も浅く広く知っておくとできる事が増えていきますしね。

あと、プレイヤー、ボーカリストだけでなく、エンジニアさんにもこれは当てはまります。気軽に何でも出来る時代ですから、Tipsだけ学んで入ってこられる方も多くいらっしゃいますが、それだけでは間違いなく怪我します。案外ツールだけ使いこなせばそれなりに形にできますから、それでいいっていうなら別に勝手にして頂ければいいですが、一方で小手先だけの人はすぐ分かっちゃいますし、すごくどうでもいい所でスタックしてたりします。

いずれにせよ、クオリティの高い音楽がもっともっと生まれるポテンシャルはまだまだあります。自分も精進していこっと。

ということで、少しだけ掘り下げた裏話でした。

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