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【就活&転職者必見】社内SEってどんな仕事?[#6]~現役社内SEだから語れるリアルな話~
多くの記事の中から選んで頂き、ありがとうございます。
初回[#1]の記事では、社内SEとは、
所属する会社で使われている『IT全般』の『面倒』をみる仕事
とお話しました。そして「IT全般」って具体的に何?について、少し掘り下げて書かせて頂きました。
そして、前回の記事では、それら「IT全般」の「面倒」を見る・・・この「面倒」を見るってどういう事?について、
1.戦略検討 ⇒ 2.企画 ⇒ 3.計画 ⇒ 4.予算管理 ⇒ 5.要件検討 ⇒ 6.設計 ⇒ 7.製造・構築 ⇒ 8.テスト・試験 ⇒ 9.運用保守
に分解し「1.戦略検討」「2.企画」についてお話ししました。
さて、今日は「社内SEって何?」第六弾として・・・「8.テスト・試験」から続きのお話しをさせて頂きます。
「面倒」をみるってザックリどういう事?
この記事では、「面倒」を見るを、システムではなく「花壇」と置き換えてご説明を始めました。
なんのこっちゃ?
の方は、先ずはサクッと前回[#2]記事の『「面倒」をみるってザックリどういう事』をご一読下さいませ。
8.テスト・試験
今回は「テスト・試験」について、解説していきます。
「テスト・試験」は、誰しも経験のある、学校、資格、会社・・・色々な所で経験してきた「テスト・試験」と意味合いは同じです。
例えば、学校のテストの場合、期末試験、中間試験とありました。
懐かしいですね。
1年生、2年生と、目指す状態(ゴール)が設定されていて、そのゴールにたどり着いているかを試すのが、試験ですね。資格試験もそうです。「一定の技能を持っている事」がゴール。そして、その試験で一定水準に達すると「合格」となる訳です。
システムの「テスト・試験」も考え方は同じです。
これまで、要求事項としてまとめてきた要件、それに基づく設計通りにシステムが動く事が、合格基準になります。そして、基準をクリアすると、晴れて「合格」となって、システムを動かす事が出来る訳です。
何だか、システムに「テスト・試験」するというのが不思議に感じる方もいるかもしれません。
「だって「コンピュータ」は「命令」された通りに間違いなく動のが特徴でしょ?それなのに試験って・・・結局、コンピュータもたまには間違えるって事?」
素晴らしい目の付け所!確かに仰る通りですね。
「命令」された通りに動くはずの「コンピュータ」にテスト・試験するのは違和感ですね。その違和感は正解です。
SEがテストする対象は「コンピュータ」ではなく「命令」なんですね。「命令」が正しく書けているか?をテストしている訳です。「命令」は人間が考えて書くのだから、間違いはつきものなんです。。。
例えば、子供におつかいのメモを渡して、買い物に行ってきてもらったとします。
「カキを5つ買ってきて」
子供は、大好きな「柿」が食べられると思って喜んで買い物に行きましたが、実はお願いしていたのは「牡蠣」だったという感じです。
システムテスト(試験)の種類
システムの「テスト・試験」にも、いくつかの段階があります。
単体テスト(単体試験)
結合テスト(結合試験)
総合テスト(総合試験)
こんな所でしょうか?
それぞれのテストの違いはザックリ言えば、テストの細かさが違うと言えます。(「テスト」と言う文化と「試験」と言う文化、両方あるようです)
「テスト・試験」を学校のテストで例えてみる
学校のテストで例えると、
習った単元毎に理解できた事を確認する小テストが単体テストのイメージです。足し算の小テスト、引き算の小テスト・・・と言う感じですね。
次に、いくつかの単元が終わって、1年生で習うべき内容が理解できた事を確認する学期末テスト。これが、結合テストのイメージです。
足し算と引き算の混合計算も難なくこなせる・・・と言う感じですね。
そして、小学生の間に勉強した事が全体的に身についたかを確認するテストが、卒業テスト(実際には、小学校に卒業テストはありませんが、中学校の入学試験に置き換えてイメージしてみましょう)
こうして、それぞれの試験に合格して、初めてシステムを利用できるようになるわけです。
100点が合格なのか?
これも、鋭いご指摘です。
以下は、社内SEの目線で記載して参ります。
結論、から申し上げると100点でなくても合格できます。
学校の試験でも、資格試験でも、100点でないと不合格と言う事はないと思いますが、これと考え方は同じです。
「えっ?でも、100点でないシステムを利用するという事は、間違えに気づかず使ってしまっているって事?お客様からの入金処理とか、システムで対応しているけど、心配になってきました・・・」
そうですね。100点でないシステムを利用するのは、少し不安が残りますよね。でも、安心してください。ほぼ、100点で合格していますから。
システムに限らず、学校の「テスト・試験」で、完璧に学校で勉強してきた事を全て理解し、全て暗記している事を「テスト・試験」しようと思ったら、それこそ膨大な量の問題を解いて、全て完璧に正解でないと、合格できない事になります。
でも、「テスト・試験」には、「テスト範囲」と言うものがあり、その中から、いくつか絞って出題するのが通例ですよね。
システムテストの出題者の意図とは?
そして「テスト・試験」を通じて、何を確認したいか?によって、問題の量や質が変わりますよね。
例えば、【パターン①】総合的な基礎学力を備えている事を確認したければ、幅広いテスト範囲から、基本的な問題を満遍なく出題して、一定の基準をクリアしていれば、合格にするでしょう。
はたまた、【パターン②】基礎学力を備えている事を前提として、どれだけ応用力があるかを確認したければ、基本的な問題はほどほどに、応用問題を難易度を分けて出題するでしょう。
システムテストの場合は【パターン①】+【パターン②】のテストを実施するイメージです。
例えば、皆さんも大分おなじみであろう、通販サイトのシステムテストをイメージしてみましょう。
この場合の【パターン①】は、通販サイトを利用するユーザが操作する、考えうる全てのパターンの動作を再現してテストし、想定通りの結果が得られている事を確認します。お気に入りに入れて、買い物カゴに入れて、数量を変更して、注文を確定する。決済パターンを選んで、決済する。
この一連の操作に関する様々なバリエーションを再現し、テストするのです。結構、骨の折れる作業ですが、これも社内SEの仕事の1つです。
次に【パターン②】も、ぬかりなくテストしていきます。
例えば、注文したけど、やっぱり直ぐに取り消した。と言うケースや、商品が倉庫から出荷されてしまった後に取り消した場合など、実に様々なパターンの意地悪テストを実施する訳です。
こうした、一連のテストを経て、考えうる殆どの動作を再現してみて、想定通り動く事を確認して「合格」とする訳です。ですので、安心してシステムをご利用いただければと思います。
次回の記事で紹介する事
今回の記事では、社内SEの仕事として「IT全般」の「面倒」を見る、「面倒」を見るとは?を切り口に、その全体像と「7.製造・構築」について書いてみました。
次の記事では、今回の続き「9.運用・保守」について、なるべく分かりやすくザックリとお話していきたいと思います。
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