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或る春の話
入学シーズンの今日この頃、住んでいる地区がちょっとした文教地域になっており、小中高生がうようよいる。
高校も何校か密集しており、その中の一つが母校である。
実家から徒歩10分。自転車で5分。
今から10年以上前、志望高校に落ちた自分は併願校へ進学することになった。進学先は昔から特進クラスの進学実績と、生徒のヤンキー率と治安の悪さに定評があるというなんともカオスな高校である。しかも各学年10クラスというマンモス校。
ちなみに3年間通った感想として、
①特進クラスの内訳はガチ秀才3割、普通の人5割、地頭の良さの使い所を間違ったアホ2割といったところ。
②訳あり人間が多い
③治安の悪さは大したことがない
しかし、意外といいところのお坊ちゃんお嬢さんも多かった。多分併願校の選択肢的にここぐらいしかないからだと思われる。特進クラスは特に。
訳あり人間が結構多かったが「ふーん、そうなんだー」くらいの反応なので、大っぴらにどうこうということもなかった。そもそも協調性がそんなにないので。
多分学年やクラスの雰囲気次第だとは思うが。みんな結構大人。
というか、特進クラスに関しては文理選択以外でクラス替えはほとんどなく、ほぼ3年間同じメンバーな上、女子の人数は全体の1/3なのでそんな状況でドンパチやっても双方なんのメリットもないからだろうと思う。適度な距離感って大事。
閑話休題。
さて、そんな入学当時新型インフルエンザは前年に猛威を振るっていたが過去のものとなり、入学式2日後から新入生はある学校行事が待っていた。
宿泊学習。
入学2日後からコレである。
ほぼ初対面の同級生と1泊2日。コミュ障にとっちゃ苦行だろう。某ゲームの勤勉な精神に基づく寮の寮長なら多分タブレットだけで参加するかも怪しい。
オリエンテーションとアイスブレイクも兼ねていたこの行事、今もやっているのか不明だが、唯一記憶にあるのは
うちのクラスの女子だけ雑魚寝。
他のクラスは2段ベッドの部屋だったのだがどういう訳だか和室で雑魚寝だった。
何せ他クラスよりも女子の人数がかなり少ないので、一部屋にまとめてしまえ的なやつだろう。
しかし雑魚寝のおかげか全員でトランプやUNOで盛り上がり、アイスブレイクにはかなり効果的であった。
深夜、自分の出席番号の前の子と盛り上がり過ぎて担任に怒られたのもご愛嬌。
彼女とはその後、夏の宿泊学習でも深夜にゲームをしているところを担任に見つかり、「またアンタ達!早く寝な!」怒られ、更に3年間テスト後進路指導室に毎回2人で呼び出されお互いのテスト結果をバカにし合いながら補習を受ける悪友となった。現代文以外では女子のワースト1・2だったので。(現代文はなぜか2人ともトップ入りしていたので担任が頭を抱えていた)
なお、お互い既婚者となった現在は遠方に住んでいるのと、コロナの影響もあり滅多に会うこともなくなったが定期的に連絡を取り合っている。