Amazon Businessで購買状況把握と購入工数を削減
こちらはMoney Forward CorporateIT Advent Calendar 2022 9日目の記事です。
前回はmughalさんの「ChatGPTに聞いてみる最強のコーポレートIT」でした。
おはこんばんにちわ〜
株式会社マネーフォワード コーポレートITでITサポートおよびSaaS Management をしているT_Squareです。
Amazon Business によるユーザーのための購買体験を整備したので、そのことについてご紹介していこうと思います。
開発環境を向上させるため備品がほしい
弊社ではエンジニア・デザイナーの方には業務に必要な備品を購入できる開発環境向上のための制度があります。
※制度については弊社のエンジニアブログにて公開しています。ご興味ある方はぜひ。
最強のエンジニア・デザイナー開発環境向上施策
開発環境を会社でできるだけ整えてあげて、可能な限りエンジニアとデザイナーの力を発揮してもらおうというとても良い制度です。
とはいえ何でもユーザーがほしいといったものをほいほい購入するわけではないです。
ワークフローにて備品購入申請をあげてもらい、承認を得て購入に至るという流れなわけですが、エンジニアやデザイナーからすれば速やかに備品を購入して開発環境を向上させたいのにワークフローシステムを利用した申請が手間になっていました。
また実際に購入手配をするコーポレートIT部も製品確認、配送手配、支出コントロールの手間など負担が大きくなっていました。
この負担を解消し、ユーザーの開発環境向上への貢献スピードを上げるべくAmazon Business を本格利用していくことにしました。
Amazon Business を本格利用することで改善させたいこと
Amazon Business をユーザーに展開することで下記の状況の改善を目指しました。
コーポレートIT部が行っていた購入・管理工数を削減したい
- 実際の購入、配送先入力、購入品目、価格のスプレッドシートのよる記録管理等ワークフローを挟まずにユーザーに備品選定から購入申請まで1プラットフォームで完結させたい(コミュニケーションコストの削減)
会社推奨製品を整備することで備品の選定時間を削減したい(備品妥当性の確認の省略)
Amazon Business ユーザー展開のための準備
SSOの設定
Amazon Business ではSSOが利用可能です。ID/PassにてAmazon Business を運用していましたが、全エンジニア・デザイナー
への展開も踏まえ、まずSSO設定を行いました。
Amazon Business ではSMAL認証によるSSOができ、グループ属性によるマッピングも可能です。
残念な点としてAmazon Business はユーザープロビジョニングには対応していないことでしょうか。。。
購買・承認ルールの設定と検証
Amazon Business では購買に関して大まかなルール設定が可能です・
野放図な購買をされないように弊社の状況に合わせて購買ルールを設定します。
以下3つのルールから細かく制限ルールを作成していきます。
注文に関する購買ルール
商品に関する購買ルール
販売者に関する購買ルール
今回は商品に関する購買ルールと販売に関する購買ルールから設定しました。
ルール設定の目的は 不要な購入を防止、 怪しい業者からの購入を防止、推奨商品への誘導として設定しました。
推奨ルール
ブランド、販売者、購入品リストを指定
制限ルール
購入可能な商品カテゴリー、禁止する商品カテゴリーを指定
購買ルール
承認者を設定
ルールを設定後は想定通りの動きになるか検証します。
購買ルールは何度もルール変更をしました。承認を求める基準の設定が悩みどころです。
弊社では本制度の運用は性善説によるところがあったため、無茶な申請はしてこないだろうという見込みがありました。
しかしグローバルメンバーが増加傾向にある弊社において、ハイコンテクストなルール設計ではこちらの制度における意図が正しく伝わらず、コスト増加要因になってしまう恐れがあります。
またAmazon Business での購入申請ではオーバースペックな備品や少価格帯の大量購入もやろうと思えばできてしまうので、すべての購入申請に承認を必要とするルールとしました。
会社推奨商品の選定
推奨ルールとして:購入品リストのルールを設定します。
このルールに設定した商品を会社の標準製品としてユーザーに推奨します。
ユーザーが何を買えばいいか、どの程度の価格やスペックのものが購入できるのかといった目安としても機能することを期待して設定します。
Amazon Business プランの変更
SmallプランをUnlimited プランに変更しました。
これでAmazon Business のユーザーが無制限になります。
¥13,500/年から¥270,000/年 にコストアップです。
コストが¥257,500増加していますが今後も社員数は増加が見込まれ、購買工数の消費やユーザーへのリーチ方法を考えれば有りだと判断しています。
購買分析ダッシュボードの設定
本格利用前から使用可能でしたが、これを機会に購買管理用にダッシュボードをカスタマイズして支出コントロールができるようにしました。
Amazon Business でユーザーを所属させるグループ用にダッシュボードをカスタマイズして、月別、ユーザー毎の支出、トータルの支出の可視化を行いました。
ユーザーへの展開
ここまで行えばあとは、少数のユーザーにテスト購入してもらい、使用感と承認の手間を見てユーザーへの展開を開始します。
Amazon Business の本格展開の結果
ワークフロー申請からAmazon Business からの直接の備品申請に移行した結果
コーポレートIT部が行っていた購入・管理工数を削減したい
→大幅な工数の削減ができました。申請があるたびに行っていた配送処理や購買データの管理工数がなくなったので、
週に2,3時間の手間が2,3分程度の承認のみになりました。ワークフローを挟まずにユーザーに備品選定から購入申請まで1プラットフォームで完結させたい(コミュニケーションコストの削減)
→Amazon Business 上での承認フローのやり取りで完結させることができています。会社推奨製品を整備することで備品の選定時間を削減したい(備品妥当性の確認の省略)
→ユーザーの購入する製品を統一しやすくなり、かつ妥当性を確認するコミュニケーションコストは減りました。
他にも購入履歴で過去誰が何を買ったかの把握が容易になったり、配送状況の把握がユーザーで完結するようになりました。
終わりに
Amazon Business をユーザーに展開したことにより、備品申請の工数は大きく削減でき、UXの向上にも繋がりました。
制度として備品購入できますよといっても、実際に上司を挟んで備品を申請することにハードルを感じる方もいらっしゃったと思うのでその点良かったと思っています。
一方でハードルが下がったことで購入申請の数が増加傾向にあります。
申請した備品が真に開発に必要であるという妥当性の確認および高額製品である場合、以下にこのコミュニケーションと支出のコストをコントロールするかが重要になってきます。
標準製品リストの更新および備品需要調査などを実施し、可能な限り会社推奨製品の購入で満足してもらえるように誘導することで今後は支出コントロールを念頭に置きつつ、最適化したコスト管理で全社貢献を目指したいと思っています。
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