エンジニア109万人、デザイナー16万人。 デザイナー採用のTODO
スタートアップ/ベンチャー企業に特化した、採用/人事業務支援を行っている田儀と申します。
近年、ToB/ToCのどちらであってもプロダクトの「デザイン」と「エンジニアリング」の重要性は高まっています。理由はユーザーから求められる「デザイン」と「エンジニアリング」の基準が年々高まっているため。スタートアップ/ベンチャーの採用支援を行っている弊社でもデザイナー採用に力を入れ始めた企業様が増えてきています。そこで今回は、デザイナー採用を成功させるには何が必要かをまとめてみました。
#デザイナー採用って難しいですよね
なるほど!と思っていただけたら「ハートマーク」を頂けると励みになります!
-----------------------
1. デザイナーの分類を知る
いきなりデザイナー募集の求人を作る前に、まず
を理解する必要があります。
例えば、営業やエンジニアでも細かい分類があるように、キャリア/スキルアップのルートも考え方や経験も異なります。
そのため、一言でデザイナーと言っても行う業務が大きく異なるため、採用したいデザイナーがどんなデザイナーなのかを理解しなければ、採用ペルソナや採用ペルソナが抱えているインサイト(悩み)、自社が打ち出せるメッセージを出すことはできません。
1-1. UXの構成要素
UI/UXデザイナー募集という求人を多く見かけます。ですが、本来UIとUXは全く別ものです。まずはUIはアイコンや画像の配置のことを指していますが、UX(ユーザーエクスペリエンス)のことをまずは正しく理解しましょう。
では、UXを構成しているものは何かというと「ビジネス」「デザイン」「テクノロジー」の3つです。この3つ全てが重なる領域が「UX(ユーザーエクスペリエンス)」になります。
3つを図解すると以下のイメージです。
UI/UXデザイナー募集の求人については以下のUIデザイン領域のことだけを言っている場合がほとんどです。
1-2. 採用したいデザイナーは「なにデザイナー」なのか?
何デザイナーなのか?を理解するには、デザイナーのキャリアパスを把握すると分かりやすいので、以下の図をご覧ください。
図で記載した項目は全て、デザインに関わる領域であり、それぞれの職種で行う業務は大きく異なります。
では、次に「デザイン」にはどのような分類があるかまとめてみました。
上記のようにデザインと言っても何のデザインなのか何を目的としたデザインなのかチームメンバーの方と共通認識を取る必要があります。
「デザイナーを採用したい!」と現場から要望が出てきた場合には
を理解した上で採用ペルソナを想定し作る求人と何を任せたいかが曖昧で、採用ペルソナが曖昧な求人では、「求人の魅力」は大きく変わるため必ず情報を抑えていただければと思います。
1-3. デザイナー採用のプチ情報、プチテクニック
少し脱線してしまいますが、実際にデザイナー採用で使えるプチ情報とプチテクニックをご紹介します。
まずはプチ情報。
次にプチ面接テクニック
それもそのはず。
国内デザイナーはたったの16万人(2017年時点)
※国内ITエンジニアは109万人(2018年時点)
2. デザイナーが入りたいと思う組織を知る
「デザイナーはデザイナーがいない組織には入りたがらない」
これは、エージェント時代にデザイナーさんからよく言われた言葉です。
この言葉には続きがあります。
「エンジニアには開発言語という共通言語があるよね。デザイナーの共通言語は『デザイン知識』なんです。ただでさえ、アートとデザインの違いが分からない人が多い日本で、デザイナーがいない環境に飛び込む選択は、余程のメリットがない限り選ぶことはないですよ。」
です。
2-1. どんな企業ならいいのか?
では、どんな企業/プロダクトなら入りたいと思ってくれるのか?をまとめてみました。ポテンシャライトで提唱している魅力分類「5P+CGM」で、デザイナーにとっての魅力になり得るポイントを抽出いたしました。
デザイナーやデザインに関して知見がある人材が社内にいるケースは、上記の項目を求人に記載できているのか?依頼をしているエージェントに伝えられているのか?求職者へ伝えられているのか?見直してみると良いと思います。
3. 何をすればいいのか?
スタートアップ/ベンチャー企業では、そもそもデザイナーがいないケースもあると思います。その場合はどうすべきかを今回はお伝えします。
1人目のデザイナー採用を行う場合、以下の3パターンしか無いと想定した活動を行うことをお勧めします。
それぞれ解説していきます。
→これは分かりやすく、求職者視点では経験/実績を得られるから採用できるパターンです。
ポイントは「育成する時間」があり、「教えられる人」がいる場合にのみ有効です。育成に成功した場合、今後の採用時に育成成功者のモデルケースとしてPRできるというメリットもあります。
→上流の設計とディレクションだけを任せるから採用できるパターンです。
デザインにかける資金もあり、緊急性が高い場合にはこの方法を取ることをお勧めします。スタートアップの場合は、資金調達をした直後などは取れる手法です。
このパターンについてはディレクターレベルの方を採用するため、上流の設計などは任せて、実際に手を動かす業務については外注し、そのディレクションを担当してもらいます。デザイン業務を進めることができる場合に選択可能です。初期段階から外注を使って業務を回して行けるため、初期から生産性が高い状態をキープすることが可能です。
デメリットとしては、金銭コストがかかってしまう可能性が高いという点。
→多くの企業様がデザイナー採用で実施されている選択肢です。難易度は一番高いパターンで、オススメできない選択肢です。
長期化した会社では1年以上採用できていないケースもある長期戦の採用活動となります。デメリットとしては、採用できる時期予測ができず、事業計画に影響を及ぼす可能性がある点です。
「C」しか選択肢が取れない場合は、以下の3ステップを実施して、本当に必要な業務を明確化し、組織でデザイン業務に取り組むスタイルに切り替えれば採用できる可能性が広がります。
3-1. (ステップ1)本当に必要な業務を把握する
本当に必要な業務を把握しましょう。
「高、中、低」での3パターンでざっくり分類してください。
3-2. (ステップ2) 現在のチームで補えることを把握する
「1-1. UXの構成要素」で、UXデザインにおいて、以下の3点が合致する部分があるとお伝えしました。現メンバーで補える部分を洗い出してみましょう。
3-3.(ステップ3) 募集要件を決める
ここまで設定すれば、デザイナー採用での「必ずお願いする業務内容」「希望があれば、お願いしたい業務」「必須要件」「歓迎要件」を設定できます。
4. 最後に
エンジニアが109万人でデザイナーが16万人という対比で、デザイナー採用がいかに難しいかだけでも理解して、その上で採用活動を進めて頂ければと思います。
正確には理解することが難しい『デザイン』に対して、歩み寄りができる環境を作ることもデザイナー採用のために重要な要素です。今できることを1人目のデザイナー 採用成功に向けて頑張って頂ければと思います!
デザイナー採用についての支援もしております。ご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡をいただければ幸いです。採用状況を状況をお伺いしながら、無料でカウンセリングなども実施しておりますので、ご興味があれば気軽にご連絡いただければと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?