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漫画「セシルの女王」(作:こざき亜衣)を読んだ。20250204
積読していた「セシルの女王」の8巻を読んだ。
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16世紀のイングランドを描く歴史ロマンもついに8巻を迎えた。作品を通して命が軽く、ヒリヒリした展開が続いている。
「………誰もが、彼の死を待つ世界で。」コミックスの帯では、時代の王・ヘンリー8世を取り巻く環境をこう称している。
確かに、ここまで一貫して、ヘンリー8世が「命が軽い」王宮の中心にいた。完全にアンコントローラブルな存在で、醜く太り、発作のように怒る。計6人の妻と娶り、結果的に2人と離婚、2人を処刑という有様だ(ヘンリー8世の周辺で起こる謀略のせいもあるのだが。
この作品の主人公はウィリアム・セシル、そして将来女王となるエリザベス1世。2人も、ヘンリー8世に命運を完全に握られている。8巻までこの二人が生き残っているのは、“たまたま”といえるほど人が死んで行った。
"暴君”、そして王宮ないで渦巻く謀略。まだ10代の後継者たちが巻き込まれ、正直いってかなり悲惨な環境に見える。
しかし「セシルの女王」で描かれるのは、人の醜さや恐ろしさばかりではない。作品の根幹には、信念に生きる人間の美しさが流れていると思う。現代人の私から見ると、感情も思想も野心も理解し難い部分は多い。しかし、人間の本質は変わらないんじゃなかろうか。
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関口大起
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