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漫画「僕とお父さんについて」(作:薄場圭)を読んだ。20250203
今日の午後15時ごろ、とんでもないニュースが届いた。私の応援するNBAチームDallas Mavericksが、Dallasの神童、ダークの後継者、フランチャイズの宝、NBAの次の顔、バスケットボール界の宝、ルカ・ドンチッチをトレードした。
どうやら、本人やコーチ陣もそれを知らず、フロントが決定したらしい。裏話も少しずつ出てきたが、あまりにも納得がいかない。悲しいというより、落胆の気持ちが強い。
たしかに、ルカ・ドンチッチとの6年間は楽しいものばかりではなかった。ただ、確かに優勝へ向かって一歩ずつ進んでいたはずだ。
頭を振ってモヤモヤを吹き飛ばすと、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ頭が晴れる。そのわずかな隙で考えると、アイソ重視のバスケからまた、別のスタイルに変わっていく姿も楽しいかも…?という思いが見える。しかし、そんな考えはあくまでまやかしだ。ドンチッチを失ってしまったショックのほうが、計れしれないほど大きい。
余談がかなり長くなったが、そんなわけで失意の中にいる。情報を漁りすぎて、XのおすすめタイムラインがNBAの情報ばかりになってきた(なぜか、ドナルド・トランプやイーロン・マスクのポストも増えている。アメリカの情報を欲しているやつだと思われたのだろう)。
そんな中、『スーパースターを唄って。』の薄場圭先生が、自身の読み切り作品のリンクをポストしていた。2021年の8月がに、ジャンプ+で公開された作品だ。当時、確かに読んだ記憶はあったのだが、それが『スーパースターを唄って。』の薄場先生と結びついていなかった。そこで改めて読むことにした。
ダメ親だった父が死んで何年もたったあと、母親は“宮さん”と再婚した。いい奴な宮さんは、授業参観にも来るし、家事もするし、夜になったら帰ってくる。でも、キャッチボールが下手くそだ。主人公の秋字は、まだ宮さんを父親として認められずにいる。
薄場先生の作品は、まとわりつく過去の描写が印象的だ。良い思い出も、悪い思い出も、等価値で人には蓄積していく。その感覚は、私の人生観と重なる。今の自分は、それまでの自分のすべてだ。
でもだからこそ、“新しい何か”によって変わることもできる。秋字にとって、それは学校をサボって宮さんと行く、父親の墓参りだった。
我々Dallasファンにとって、それがADなのだろうか。今のところ、ADとともに優勝しても両手を挙げて喜べる気がしない。
ただ、それは秋字と宮さんのドライブと同じだ。辿り着いてみてわかることがある。確実に言えるのは、これで応援するのをやめてしまうのは間違いだということだ。
さようなら、ルカ・ドンチッチ。
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関口大起
集英社オンライン、@DIME、ENCOUNT、Mac Fan PortalなどのWebメディア、雑誌、企業向けの会報誌などで編集。取材・執筆をしています。お仕事のご依頼は「ttt.write.0119@gmail.com」まで。漫画家さんやクリエイターさんへの取材、製品や作品のレビューなど、ご連絡お待ちしております。