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語学を学ぶ意味なんてないと言われる時代にドイツ語を本気で勉強する中小企業診断士のぼやき
こんにちは、2025年も早くも1ヶ月が経過しました。
今年は少し緩やかなスタートで、昨年末とは一転して1月は出張もなく、この1年で何をしようかを考えながら、ひたすら仕込みに徹する1ヶ月でした。欧州の場合、顧客の活動に波があり、時期が来るともの凄くアポが集中する傾向があるので、言ってしまえばその前の時期、つまり仕込み期間(≒暇な時期)をどう過ごすのかは結構大事だったりします。暇というと、悪なイメージがあるかもしれませんが、個人的には怒涛のスケジュールの中ではどうしてもできないこともあるので、そういう時は変に抵抗せずに流れに身を任せています。
そんな幕開けの1月、ひたすら打ち込んでいたのが“ドイツ語”でした。というのも、ゲーテのドイツ語試験B1を3月に受験することを決めたためです。
元々ドイツ語は仕事で使えるようになることが目的で、試験や検定には興味がありませんでした。過去、英語や中国語でTOEICやHSKなどに注力していた時期もあったのですが、試験に合格、あるいは目標スコアに到達しても実用的な語学が身についた実感がなかったのです。
そんなこんなで敬遠していたのですが、永住権の取得にはB1が条件の一つになっていること、本気で勉強するための動機付けが欲しかったこと等から、受験を決めました。ただ、受験費用が255ユーロもするので、正直めちゃくちゃ悩んだんですけどね(いくらなんでも高すぎでは・・)。
いざ勉強を始めてみると、予想に反して実務にもしっかり反映できることが分かり、これはかなり嬉しい誤算でした。
ゲーテ試験の場合、4技能(読解、作文、会話、リスニング)それぞれにテストが用意され、すべて合格基準に達して晴れて合格となります。当然、勉強もそれに沿って進める必要があります。私の場合は、①語彙が少ない、②決まったやり取りしかできない、③リスニングが絶望的という課題があったので、1月はひたすら単語を覚えて、音声付きの問題集の独文の音読を繰り返しました。アウトプットのために、ドイツ人の同僚とはなるべくドイツ語で話すようにしているのですが、以前と比べて明らかに使える単語、相手の話の理解度が上がっているのを体感できるようになっていきました。恐らくゲーテの試験特性と置かれた環境がうまくハマったということなのかもしれません。あとはやはり気持ちの持ちようも大きくて、「ドイツで居場所を作って生き残っていくため」というモチベーションが作用している点もありそうです。HSKを受けているときに流石に中国に骨を埋めるまでの覚悟はなかったので。笑
最近、「AI時代に語学習得の価値はない」という論争をよく見かけます。個人的には語学を多少なり嗜む者としてこの意見はすごく考えさせられますし、大筋でこの意見は正しいと思います。今の時点でもwebページやoutlookのメールはボタン1発で翻訳できますし、今後AIの進化に伴い、リアルタイムで質の高い翻訳機能を社会の至る所に持たせられるようになるはずです。そうなると、別に勉強しなくても不自由はないよね、というのは十分にあり得ることです。
そこまで分かっていて何故勉強するの?って思われる方も多いのではないかと思うのですが、ずばりお答えすると、私にとってはまだ必要な場面が多い、と想定されるからです。
私の場合は英語もドイツ語もある程度仕事を行う・進める・加速させるための手段として活用しています。特に新たな潜在顧客との関係を作るためのフックとして語学があるので、これはなかなかgoogle翻訳やAIでは代替が難しいのです。結局コミニュケーションって時間差が空くとスムーズに進まなくて、ジョジョの奇妙な冒険のスタンドのように後ろで異言語をペラペラ喋ってくれればまだしも、瞬発力が求められる場面では結局頼りになるのは自分の脳・口・耳になってしまうのです。
あとは、私の場合は、はなから語学力を武器とは思っていなくて、あくまで他の強みや弱みを補完するための一要素と割り切っているところもあります。なので、将来的には多くの部分をAIなどの新しいテクノロジーに代替していくことになるとは思うのですが、今の時点ではまだ「自分がやったほうが早い、正しい」領域が多いということなのだと思います。
一方で、語学を学習するにあたって、何を目的にするのかはかなり綿密に考えていて、(目的に寄与しない)余計なことは絶対しないという意識は10年前よりもはるかに高まっていることもまた事実です。100%堪能になることを目指すのではなく、やること、やらないことをはっきり線引きすることはこれからますます重要になるような気がします。私の学生時代は何となく英語を頑張ってみる!という風潮が良くも悪くもあって、私もその流れに乗った1人だったわけですが、すごくバッサリ言ってしまうと、既に「何となく頑張ってみる意味はなくなってしまった」時代に突入していることは事実と思うので、今の学生さんや子供たちは大変だろうなあと思うところはあります。
少しトーンの暗い話題になってしまいましたが、何はともあれ私はしのごの言わずにゲーテB1を合格できるように頑張りたいと思います!
少しでも共感できる・気づきがあったと思っていただけたら今後の記事配信の参考にしますので、スキかコメントを頂けたらとても嬉しいです。
明日から月曜日、また一週間頑張ってまいりましょう!
それでは!