東京都練馬区・長男殺害事件【殺害することでしか解決できないのか】
今月1日、東京・練馬区で44歳の息子を刺殺したとして、父親(76歳)が逮捕された。
元事務次官が息子刺殺 部屋に“殺意”メモ
東京・練馬区で44歳の息子が包丁で刺されて死亡し、農林水産省の元事務次官の父親が逮捕された事件で、父親が神奈川県川崎市で小学生ら20人が死傷した事件を念頭に、「息子が周囲の人に危害を加える恐れがあると思った」などと供述していることが分かった。
(略)
熊沢容疑者は英一郎さんから日常的に暴力を受けていたとみられているが、「最終的には自分が刺さなければやられていた」とも供述し、部屋からは英一郎さんへの殺意をほのめかすメモが見つかったという。
また、事件当日は近くの小学校で運動会が行われていて、英一郎さんが「音がうるさい」と腹を立てたため、熊沢容疑者が注意していたことも分かった。
英一郎さんの胸や腹などには10数か所の刺し傷があり、警視庁は熊沢容疑者が犯行に及んだ経緯を詳しく調べている。
引用:日テレNEWS24(2019/06/03)
中学の頃から家庭内暴力があったという報道もあり、長い年月にわたり悩み苦しんだであろうことには同情する。しかし、「命を奪う」という解決方法を選んだことは、決してゆるされないことだ。
いま世間では、父親の行為に賛同したり、美化したりする声があがっている。「被害者が近隣の小学校の運動会の音に腹を立てていた」という報道のせいもあるだろう。だからといって、「命を奪う」ことが唯一の解決方法として許容されるなんて、先進国にあるまじき姿だ。
殺人への賛同や美化よりも、「殺すしかない」とまで追いつめられている家族が日本のあちこちにいることを認め、そういった家庭への具体的な介入方法について、真剣に議論するべきだ。公的機関ではもう手がまわらないならば、「やれることはやってます」という中途半端なポーズは、もうやめたほうがいい。そして、自治体ごとでもよいから、「できる人」「できるチーム」「できるノウハウ」を配置すべきだ。
もうすでに類似の事件は過去にも起こっている
練馬区の事件は、川崎市登戸の殺傷事件から間もないこと、また父親のキャリアの華々しさもあって、世間の耳目を集めている。しかし類似の事件は、過去に幾つも起きている。
2018年に起きた類似事件(親が子供を殺害、もしくは無理心中しており、被害者である子供に何らかの障害や精神疾患があったケース)を、探し出せた範囲で掲載する。※リンク先は「親族間事件データベース」の各事件にリンクしています。
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