「ひとりマーケター」の苦労とは?
皆様こんにちは。私は都内HR系クラウドサービスでマーケティング業務を行なっています。まだ組織全体で50人程度の少人数チームで働くいわゆる「ひとりマーケター」です。「ひとりマーケター」として働くことはやりがいがある一方で、多くの苦労があります。
以下では、その代表的なものをご紹介します。
1. 業務範囲が広い
マーケティングには、戦略の立案から実行、データ分析、SNS運用、広告運用、SEO、コンテンツ作成、メールマーケティング、イベント運営など、多岐にわたる業務があります。一人でこれらをすべてカバーするのは大変です。
負担感: 特定の分野に集中できず、どのタスクも中途半端に感じることがあります。
専門性の欠如: すべての分野を深く知るのは難しく、専門的な知識やスキルが不足していると感じる場面が多いです。
2. 時間管理の難しさ
すべての業務を一人で捌いていくため、どのタスクにどれだけ時間を割くかの判断が重要です。
優先順位の迷い: 緊急度が高いタスクと重要性が高いタスクの間で迷うことがよくあります。
労働時間の長期化: 時間内に終わらせるのが難しく、残業が増えることもあります。
3. リソース不足
人手だけでなく、予算やツールも限られている場合が多くあります。
広告運用リソースの制約: 十分な広告費がないと、成果を上げるのが難しいです。一方でWeb広告は分析・運用に手間をかければ成果があがるのですが一人ではなかなか手が回りきらないことがあります。
ツールやソフトの不足: 高価なマーケティングツールは、予算上導入できず、なかなか効率化が進まない場合もあります。
4. 孤独感
社内にマーケ戦略の相談相手がいないことから、多くの判断が自分頼りになります。施策の失敗があった場合も責任が全て自分にかかります。
フィードバック不足: チームがいないため、アイデアや成果に対する客観的な意見が得られにくいです。
精神的なプレッシャー: 成果が出なかったときに、すべての責任を一人で背負うことになります。
5. 成果の可視化の難しさ
とくにBtoBの場合では購買決定までのリード期間が長いため、マーケティング活動の成果は即座に現れません。このことから、一般的な月次のふり返りサイクルでは活動結果の評価がされにくい場合があります。
短期的な結果のプレッシャー: 特に経営層から早期の成果を求められる場合、戦略が十分に機能する前に評価されてしまうことがあります。
KPI設定の難しさ: 分析の仕方も多岐にわたるため、明確な目標設定や、適切なモニタリングすることが一人では難しいことがあります。
6. スキルアップの課題
学び続ける時間を確保するのが難しいです。
自己学習の必要性: とくにデジタルマーケティングの分野は常に進化しており、スキルをアップデートするための時間が取れないことがあります。
セミナーやイベントの参加: 実務が忙しすぎて、最新の知識を得る機会を逃しがちです。
さいごに:対策について
ひとりマーケターとして働くのは、確かに大変ですが、自分の成長を実感できるやりがいのある仕事です。まずは以下に気を付けて、小さな成功「Quick Win」をつくることを目標に、一歩ずつ進めていきましょう。
優先順位の明確化: 業務の重要度を判断し、集中すべきタスクにリソースを割く。ビジネスインパクトの高さで優先順位を決めることが大切です。
ツールの活用: 便利なツールはどんどん使ってみて、業務生産性アップを図りましょう。とくに生成AIの使いこなしは必須スキルです。
外部リソースを活用: 切り出せる業務はフリーランスや外注を利用して負担を軽減しましょう。とくにWeb広告運用など外注費を上回るメリットを出せる場合は、思い切って外部の方に依頼する積極性が大切です。
コミュニティへの参加: 他マーケターとつながり、情報共有や悩みの相談できるようになりましょう。facebookコミュニティやpeatixのイベント情報で見つけることができます。
成果は小分けで設定する: いきなり大きな成功を狙わずに小さな成功を積み重ねることで周囲からの信頼を得ていきましょう。また小さな成功はモチベーションを維持することにもつながります。
ひとりマーケターとして成功するには、自分自身をセルフマネジメントして適切なリソース配分と効率的な働き方をすること、そして他者との連携も円滑にしていくことが活躍のカギになります。