ロックしかねーだろ、人生は (最初の旅 vol.04)
フォー・ボーを食べ終わった後、ボーさんがNew townに連れて行ってくれるという。今となってはそれがどこだったのか分からないが、5年前は水田だらけだったが今は日本、アメリカ、韓国人など外国人が住んでいる高級住宅街らしく、確かに大きな住宅がたくさんあるエリアで、ボーさんはいつかこんな家に住んでみたいんだ、みたいなことを遠い目(ビー玉のような目だった)をしながら呟いていた、その言霊は夜の町に霧散していった。
その後、またゴチャゴチャした町中に戻って、その道端にある喫茶店でコーヒーを飲むことに。喫茶店といってもプールサイドにあるようなプラスチックなテーブルとイスがあるだけの露店だったが、練乳の入った甘いベトナムコーヒーを飲むと今日一日の疲れが少しだけほぐれる気がした。もうすっかり夜になったホーチミンの町、しかしまだまだ熱気は冷めきっておらず、たくさんの車がヘッドライトを煌々と付け、けたたましくクラクションを鳴らしながら走っていた。おれっちはこのヘッドライト一つ一つに映画スターの名前を付けながらボンヤリと過ごした。
この喫茶店はボーさんのお気に入りらしく、リクライニングの椅子に寝ころびながら流れる町の景色を眺めながらコーヒーを飲むのが一日の締めくくりらしい。
ここでボーさんが提案。明日、メコン川観光に行かないか、とのこと。うーん、どうしようか迷う、ボッタ食られること必須な気もするが、まあいいか、自力でどっか行くにもどうやっていいか分からないし、乗り掛かった舟だ、行ってみよう。今日の観光代2ドルはいいから、Friend, Friendっつって、明日AM7:30にホテルまで迎えに来てくれることになった。ちなみにボーさんの口癖はFriendとWhy notだった。
じゃあ帰ろうかっつって、ホテルのカードを見せてここまでよろしくってホテルまで連れて行ってもらい、それじゃバイバイまた明日っつって別れた。
ふー、長い一日だった、でも自力でホテルに泊まれたし、バイクタクシーとの交渉(ほとんど言いなりだったが)からの観光、フォー・ボー、ビール、コーヒーなどを食することもできた、上出来じゃないか、なんとかなるもんだ、とシャワーを浴びて、特にオナニーをすることもなく床に着いた、就寝した。
咳をしても一人、コホンコホン。 (ガサガサ) おい、大丈夫か? えっ、誰?