ロックしかねーだろ、人生は (最初の旅 vol.13)
ニャチャン。なんとも良い響きな町の名前だ、ニャチャン。
ニャチャンがどんな町か嘘を交えながら説明したいと思う。
場所としてはホーチミンから北東に約450kmのリゾート地、ほんと町中からビーチまで歩いて数分と非常に素晴らしい立地。
今はどうか分からないけど、2005年当時、時期もあったかもしれないけど、観光客もほとんどいなくて、小さな観光地って感じだった。町は歩いて容易に回れるし、ビーチは近いし、それなりにレストランなどもあった。
朝方にビーチに行くと地元の人が行水感覚で海に入ってるのね、そんな文化もいいなー、と思ったよ。
日本料理屋も1店舗だけあって、バックパッカー的な日本人が出入りしてた気がする。店の名前は何だっけかな、あと店主のおっさんの名前も忘れた、なんかタケさん、とかそんな名前で呼ばれてた気がする。多分日記に残ってると思うから読み進めたら書くよ。でもね、おれっちは基本的にバックパッカーは嫌いだから、あんま接触はしなかった。なんでバックパッカーを嫌うかっていうと「真っすぐ勝負していないウンコみたいな奴らが多いから」だ。
確か当時、ちょっと前まで日本からニャチャンまでの直行便があったって誰かから聞いた気がするけど、今はどうなんだろう。
まあ、そんな町のニャチャンに夜中に降り立ったわけだけど、問題は泊まるところがないこと。薄暗い駅前には、バイクタクシーがどこに行くんだ、俺のバイクに乗っていけ、と呼び込みがすごい。時間も時間だし、交渉も面倒なので、しつこく話しかけてくるバイクタクシーのおっさんを無視しながら、タクシーを探すがいない。うーむ。
ここでね、おれっちはなんと泊まるホテルは決めていた。えらい。流石に長い長い電車旅のさなか、地球の歩き方に載っていた安ホテルを見つけて、ここに泊まろうと決めていたのだ、そしてそれをノートにメモっているので、これを見せて、ここに連れて行ってけれ、と言えばいいだけなのだ、わっはっはっは。
タクシーはいないのだから仕方ない、バイクタクシーに連れて行ってもらうか、値段交渉は面倒だけど、そんなに遠くはないだろうしな。
ノートに書いたホテル名を見せて、ほら、ここだよここ!って交渉しても、バイクタクシーのおっさん達はハテナ顔。おい!
そうか、おれっちの英語が分からないのかな、なんて思っていると、ある一人のおっさんがおれっちを引っ張って、背の小さなおばさんのところに連れて行ってくれた。そうか、このおばさんは英語が理解できるのか。おれっちは必死にこのホテルに行きたいのだ、と説明するが、どうにもこのホテルは知らんらしくて、地球の歩き方も使って必死に説明すると、通りの名前は理解できたらしく、バイクタクシーで行けることになった。
ふー、やっと行ける、でも最初に値段交渉はしておいた方がいいと思い、How much?と聞くと、なんと30ドル! おい、高すぎでしょ!
それはおかしいと値段交渉すると、なんど2ドルまで下がった。調子にのって1ドルというと、それはダメ、とのこと。まあ、2ドルだったらいいだろう、と交渉成立。
バイクタクシーに跨りホテルのある通りに向かってもう。その通りまでは数分だっただろうか、薄暗い町中を走ると目的地に到着した。バイクを降りて、その通りを少し歩くとなんとホテルはすぐに見つかったのだ。やった、見つかった、野宿しなくて済むぞ。時間はPM10:00を超えていただろう、長い長い1日でヘトヘトなおれっちはホテルに入り、這う這うの体でフロントまでたどり着き、懐刀の「Do you have a room?」を繰り出すとなんと、その回答はまさかの、満室!!? まじか!
もうダメ、俺は今日死ぬ、お前は明日だ、バタンQ。