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犬噛紅蓮について考える

タイトルの通り、犬噛紅蓮について考察していく。
ワンピースカードをプレイしている人にとっては、誰もが打ちまくり、誰もが打たれまくったであろうこのカードについて深堀りする。


犬噛紅蓮とは

ワンピースカードの1枚であり、第五弾で登場したカードである。
主に環境トップデッキの青黒サカズキに、どのリストにも4枚フル採用されている。

なぜかトリガーのおまけつき

結論から言ってしまうと、このカードは3月に予定されている禁止制限改定において、何らかの規制を受けると予想する。
その理由を以下に述べる。


犬噛紅蓮の強さとは

犬噛紅蓮の強さは、以下の理由が考えられる。

①小型サーチャーとの相性の良さ
②ゲームルールとの相性の良さ
③耐性を持つキャラクターが少なすぎる
④カード間のシナジーの強さ
⑤シンプルにカード効果が強い

1つずつ考察していく。

①小型サーチャーとの相性の良さ

青黒サカズキには1コストたしぎ、2コストブランニューが4枚ずつ採用されており、序盤の手札を整えていく。


かわいい
序盤の最重要カード


これまでのデッキでも、低コストサーチャーを採用しているデッキは数多くある。例えば赤緑ローでは1コストナミや2コストダダンなどで手札を補充しながら、5面展開後にリーダー効果を使いさらなる展開・アドバンテージを取っていく。黄色系デッキでは、カタクリの1コストプリン、エネルの2コストシュラなどがそれにあたる。

しかしながら、パワーが2,000や3,000の使い終わった小型サーチャーに、序盤からドンを付与してリーダーにアタックするのは効率が悪い。よっぽど何もすることがなければ仕方ないが、序盤はキャラの展開にドンを使い、アタック時のリーダー、キャラへのドンの消費は最低限。展開後の終盤に相手の手札を効率的に消費させるために7000、9000でアタックするほうが好ましい。

上記のことは誰もが理解しているが、犬噛紅蓮はその理解を覆す。

中盤に相手がキャラクターを展開してきたならば、リーダー効果や大噴火、ヒナなどで手札や盤面の損失なく相手キャラのコストを下げる。その後に犬噛紅蓮を使えば、本来アタックに参加できなかったサーチャーが5,000、6,000打点になり、相手の手札をもぎ取っていく。さらに序盤、終盤問わずレストのサーチャーにアタックをしてくれたならば、ライフを守ることによる手札の損失を抑えることができる。

小型サーチャーがない場合の序盤の犬噛紅蓮も弱くはないが、リーダーをパンプしての8,000アタックは、相手側としては考えるまでもなくライフで受ければよい。ところが、複数回での5,000、6,000アタックは、受けすぎると終盤の7,000アタックが厳しくなる。守ってくれるのであれば、序盤の選択肢を狭めることができる。至れり尽くせりである。

以上が1つめの理由である。


②ゲームルールとの相性の良さ

ワンピースカードでゲームに勝利するには、以下の3つの方法がある。

①相手のライフを0にしてから、リーダーへのアタックを通す。
②特殊勝利条件で勝利する。
③相手のデッキが0枚になる。

このうち、②については現状リーダー青ナミのみが持つ能力であるため、その他のリーダーを使用する場合は適用されない。


かわいい


③については、積極的に目指すものではないため、こちらも除外する。
となると、99%のリーダーは、①が唯一の勝利条件である。

要するに、「キャラクターを展開して、殴る」デッキになる。

ここで、現在存在するデッキのタイプについて考察する。

他のカードゲームを引き合いに出すと、マジックザギャザリング(以下、MTGと記載する)においては、主に3つのデッキタイプが存在する。

(正確には他のデッキタイプも存在するが、ワンピースカードで存在しないので除外する。)


①アグロデッキ
②ミッドレンジデッキ
③コントロールデッキ

アグロデッキとは、その名の通り序盤からコストの軽いキャラ(MTGではクリーチャーという)を展開して相手を殴りライフを削りとるデッキである。

ミッドレンジデッキとは、中コストのキャラを展開して、1枚のカードスペック・リソースを重視して戦うデッキである。

コントロールデッキとは、相手の盤面・リソースを捌ききってからライフをじっくりと詰めるデッキである。

このうちアグロデッキについては過去に赤ゾロが環境を席巻していた時代もあるが、ワンピースカードにおいては現在のところほとんどのデッキが②のミッドレンジデッキである。

③のコントロールデッキでは、青黄クイーンがロングゲームを目指すことがあるが、ごく一部である。
(自分は大会ルール変更前の青黄クイーンでフラシ入賞したことがある。)

そもそも、ワンピースカードはリーダーカードという絶対に除去されないカードがある仕様上、毎ターン相手へのアタックが可能であり、盤面を捌ききるということが不可能である。たしかに、相手の盤面を更地にした後にこちらのライフが1枚でも残っており、自分の盤面にキャラが複数体いればそれは勝ちと同義である(速攻キャラやリジェクトを考えると2枚が安心)。青黒サカズキみたいなデッキである。しかし逆を言えば、こちらのライフが0でブロッカーがいない状態で相手にターンが渡れば、膨大なカウンター値やイベントカードがない限り15,000のアタックが相手リーダーから飛んできて負けである。

そして、MTGと違い毎ターン決まったドン(マナ)が増えるため、何ターンにも渡って手札のキャラクターが展開できないといったことが起こらない。そのため大型キャラクターも、ターンが経過すれば必ずプレイできる。その結果、大型キャラ(体感では7ドン以上のキャラカード)を全く採用しない過去の赤ゾロ、似たようなデッキでは赤紫ロー以外のデッキは、低コストから大型フィニッシャーまで幅広く採用するミッドレンジデッキになるということである。

それを踏まえると、相手がキャラクターを展開する以上除去カードが腐る場面がなく、加えて相手キャラクターを除去することによるメリットが大きすぎるのである。

MTGでは、ミッドレンジデッキに採用されている除去カードが、コントロールデッキには全く刺さらず、セルフハンデスをしているような状況が多発するが、ワンピースカードではそれが無い。なぜならキャラクターを全く出さないようなコントロールデッキはそもそもゲームに勝てないからである。

5,000打点以上の相手キャラクターを除去することは、ライフと自分のキャラクターを守ることにつながる。自分のキャラクターを残せれば、相手リーダーへの攻撃回数が増えるため相手のライフまたは手札を消費させ有利にすることができる。

以上が2つめの理由である。

③耐性をもつキャラクターが少なすぎる

ワンピースカードにおいて、「除去」とは上から強い順に以下の5つが挙げられる。

①デッキの下に置く
②トラッシュに置く
③KOする
④手札に戻す(バウンス)
⑤レストにする

①のデッキの下に置く効果は、青のカードとリーダー赤紫ローに割り振られている。

②のトラッシュに置く効果は、現状6コストブルックのみが持つ能力である。


4コストボルサリーノ、菊之丞を除去できる

相手のKOされない効果と、KOされた時の効果を無視できる強みがあるので、デッキ下送りが減るならば今後増えるかもしれない。

③のKOする効果は、赤・黄・黒・紫に初期の頃から導入されている。
赤はパワー参照のため除去範囲が他に比べて狭く、黄色はコストとライフ参照、黒と紫はコスト参照である。

④の手札に戻す、⑤のレストにする効果は恒久的な除去ではないが、リーサルのターンに邪魔なブロッカーを除去できることから一応挙げておく。

最近では、破壊耐性やKOされたときにメリットのある効果をもつキャラクターが登場しているが、そんなことを許さないのが①のデッキ下に置く効果である。

代表的なカードは、5コストサボや4コスト菊之丞・ボルサリーノ、最近出たカードだと2コストしらほしがあるが、これらの耐性を無視して除去ができる。

現在のカードプールでは、デッキの下に置く効果に耐性があるものは、7コストエネルと次弾で出るホーキンスしかない。(他にあったら教えてください…)


我が神なりで出せる唯一のカード
7,000ブロッカーは何気に初

つまり、ほとんどのキャラクターがデッキ下送りを防ぎようがないのである。そんな状況でデッキに4枚(これに加えて叢雲や7ボルサリーノ)ある犬噛紅蓮が、たしぎやブランニューで簡単に手札に持ってくることができる。コストが高いキャラクターは犬噛紅蓮の除去のハードルが上がる・・・ように見えるが、今のサカズキでは高コスト帯も簡単に除去できる。これは後述する。

以上が3つ目の理由である。


追記
8コストカタクリのライフに埋める効果を忘れていた。
除去単体での強さでいうとトラッシュに置く効果と近いが、現状8コストカタクリのみが持つ効果であるため評価が難しいところ。

④カード間のシナジーの強さ

犬噛紅蓮はコスト2以下のキャラクターを除去するが、素直にコスト2以下のキャラクターを除去するわけではない。

サカズキのリーダー効果によってアタック時にキャラ1枚までをコスト-1できるため、3コストまでのキャラの除去は確約されている。
そして、リーダーサカズキにはコストを下げる優秀なカードが大量に投入されている。

手札を減らさずにコストを下げられる大噴火を使えばコスト5までを除去できる。
最悪2,000カウンターの1コストつるでも可能。

1コストアイスエイジを使えば大体のキャラは除去できるし、テンポも優秀。

3コストヒナであれば、盤面に5,000アタッカーを並べながら7コストまで除去できる。9コストミホークが泣いているぞ。

そして、現在のカードプールで最も強いカードといえば、こちら。


スペックが見た目通りお化け

8コストモリアが、ワンピースカードを過去のものにした。

こいつについては、別の記事で詳しく取り上げることにするが、はっきり言って強すぎ。とりあえずこいつを出しておけばOK。

それはさておき、10ドンのターンでのかみ合いが良すぎる。

8コストモリア登場→レベッカからヒナorつるorヘルメッポでコスト下げ→犬噛紅蓮

これにより、自分は9,000アタッカー+ブロッカー+5000アタッカーを展開しながら、相手の8コストを除去しながらリーダーパンプで8,000アタック、もしくはすでに小型がいるなら5,000アタックを2回することができる。

ヘルメッポとリーダーアタックが加われば、ヒナ-4+ヘルメッポ-3+リーダー効果-1=-8で、10コストのキャラも除去できる。

サカズキのリーダー効果のルーティング、序盤のブランニューと合わさって、無理なくトラッシュに必要パーツをそろえることができる。

これが4つ目の理由である。


⑤シンプルにカードの効果が強い

ここでもう一度、カードの効果をおさらいする。


要約すると、「コストの条件はあるが相手のキャラクターを除去し、ドンの消費なくパワーを上げ、トリガーでは相手の除去あるいは自分のキャラの回収ができる」である。

ここで、ワンピースカードのアドバンテージの概念について少し取り上げる。

ワンピースカードは、以下の3つのアドバンテージを取り合うゲームだと考える。

①ボードアドバンテージ
②テンポアドバンテージ
③ハンドアドバンテージ

①と②については初めに説明したとおりであるが、改めて考えると相当ヤバい。

①のボードアドバンテージについては、カード間のシナジーによって、ゲームを左右する相手の中コスト~大型フィニッシャーまで幅広く除去できるので言わずもがなである。

問題は②と③であり、重複するが使い終わったサーチャーを、ドンの消費無しに、2コストで除去の役割を終えたにもかかわらず無料でパンプアップできる点がヤバい。
単純に考えて、パンプについて2コストで3,000上げているので

2-3=-1

つまり1ドンがお得に返ってくる感じです。楽天ポイントみたいですね。

4コスト除去イベントの三千世界を考えてみると、


青黄クイーンで打ちまくった

相手を除去した後は、リーダーでアタックするだけである。

それが犬噛紅蓮では、ほかのコスト下げカードが必要であるものの、リーダーをパンプして8,000で一発重いアタックをするかサーチャーをパンプして5,000、6,000の複数回アタックするかの選択が取れるのである。
それらコスト下げカードは、無理なく採用できる。

ドン消費の面からいって、テンポアドバンテージが物凄い。

極めつけはおまけのようについているトリガー効果であるが、これも悪さをしている。

複数枚手札に引いているのであれば、相手の小型ブロッカーや3コストのアタッカーを戻したり、手札にカウンターが欲しい場合は道中で使った小型サーチャーやつるなどをバウンスするのも有効である。
サカズキに採用されいるどのカードにも言えることだが、必要ないカードはリーダー効果で捨てればよいので腐る場面が0である。

以上が5つ目の理由である。

上記5つの理由で、自分の予想では

禁止 70%
制限 29%
規制なし 1%

とみている。

まとめ

これからも自分は犬噛紅蓮を打ちまくりたいが、相手が打つのはやめてもらいたい。


おしまい

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