RTA in Japan Summer 2024で星のカービィの解説を担当しました

↑その通りです。
事の経緯とか、考えてたこととかを書いていきます。


応募期間

 今回のRTA in Japan(以下、RiJ)には、走者としての応募はしていませんでした。昨年末カービィボウルで出れたこともあって、出したいと思うタイトルが特に思いつきませんでした。なんなら、今回は現地行かないかなと思っていた。夏は休み取る必要があるんでね。取ろうと思えば取れるんだけども。

採用タイトル発表

 カービィが4作品も通っててビビりました。しかもスケジュールも固まってて良い時間。
 特に嬉しかったのは、自分でも少し走っている初代カービィでした。カービィの定番タイトルの中でも実は一度もRiJに採用されていなかったので、遂にこの時が来た!という感慨がありました。
 さすがにこんな好機はしばらく無いだろうな~と思い、現地参戦を決意。
 カービィゾーンの13日と、翌日の14日も目ぼしいタイトルがあったので観覧に応募して、ありがたいことに両日当選しました。

解説をすることに

 初代カービィの走者さんについては、勿論色々なRTAで参考にさせていただいていたのでこちらからはよく存じ上げているものの、それ以上の交流は特に無かったので、自分が解説をするとは露も思っていませんでした。いやまあ、露ぐらいは思っていたかも。
 走者さんの人間関係の中でどなたかに声をかけるのかなぁ。誰だろうなぁ。楽しみだなぁ。と思いつつ配信を拝見したところ、テロップで「解説を募集」「原稿の素案はこっちで作る」「必ずしも走者経験無くてもOK」とか、その辺の細かい条件は忘れましたが、自分は条件を十分に満たしていると思われたし、人間関係抜きのフラットな公募であれば、自分で言うのも何ですけど捕まりうる人の中では平均よりは適役な方かなーと思い、勇気を出して「解説させてもらえませんか」とDM出しました。OKをいただきました。

解説の準備:発声練習編

 意気揚々と名乗りをあげたものの、自分の喋りは決して上手くはありません。それなりに人前でプレゼンする機会とか、RTAの解説とかも何度かやっては来ているので、何とか誤魔化しでやってますが、根本的な技術のところはサボり続けてきている自覚があります。
 RTA in Japanはアマチュアイベントなので解説はいくら拙かろうが大丈夫(むしろそれが味だったり)なはずのイベントですが、それでも近年は解説のレベルも上がってきている感があって、その中では見劣りがしてしまうかも、なぐらいの実力。喋り慣れてない人にありがちな特徴ですが、フィラー(「えー」とか「まぁ」とか)がめちゃくちゃ出てしまうんですよね。原稿をそのまま読めばフィラーは出ないんですが、それだと逆に自分で何を喋ってるか分からなくなって、言葉が滑っていってしまう。
 そういう実力の自分ですが、さすがにRiJの大舞台、大好きな作品の解説、できる限りの準備はしようと思って、本番前の数日間は、原稿を声に出しての練習とか、「あえいうえおあお」みたいな顔の筋肉を柔らかくする発声練習とかを、自分なりにやってみていました。ここまでする動機付けになったのは人生でRiJが初めてだったと思います。
 もう一つ、ちゃんとせざるを得ない理由があって、今回の星のカービィは予定時間15分という短時間の中にどうしても内容を詰め込まないといけない(というか詰め込みたい)、そうなると誤魔化しの最大の技術「沈黙を恐れずゆっくり落ち着いて喋る」が使えないんですよね。
 だから、今回の解説はいつもとは完全にモードを変えて、多少フィラー盛り盛りになっても、早口になって聞き苦しくなってもいいので(その聞き苦しさを発声練習でできる限り軽減する)、とにかく15分間喋れるだけ喋り続ける、というつもりで挑みました。

解説の準備:原稿編

 前述のとおり、原稿の素案は走者さんからいただいていて、それを私の方でプレイ動画に合わせて読み上げ練習して、気になるところを修正・順番入れ替え提案して、という感じで推敲していきました。(私の提案したところは全て快く受け入れて下さいました)
 最初に原稿通り読み上げてみたとき、1面のポピー戦入りのタイミングがピッタリだったので「これは行ける!」というアドレナリンがすごかったのを覚えています。あとは、読みが追い付かないところもありましたが、ゲームの進行に合わせて適宜読み飛ばすのは大前提という考えでいきました。
 逆に「ここは絶対に読み飛ばせない」という骨組みみたいな部分を決めるのが大事だなということで、以下のように要点を決めました。
 1面→フェイク飲みと高速吐き出しの説明。
 2面→カレー撃破の説明。ボス戦のパターンを見せてから乱数調整が存在するということの前振り(実際は1面でも当たり前に乱数調整している)
 3面→処理落ちの説明。小さい星と乱数の関係をざっくり説明。
 4面→世界記録の説明。クラッコ戦は少し前から話を振って乱数に注目してもらう。
 5面→ゴルドー扉の説明。デデデ戦は少し前から(以下同じ)

当日:本番までの動き

 当日は正午ぐらいに会場に到着、解説者の名札はフォーム送信がギリギリだったため貰えるか分からなかったのですが、無事もらえて良かったです(実は前回の名札を持ってこようとして忘れていた)。走者さんにDMするとちょうど同じぐらいに着かれていて、割とすぐに合流。練習スペースで軽く打ち合わせと通しリハーサルをしましたが、短距離カテゴリなのですぐに終わってしまう!まぁ何とかなるやろという感じだったので、あとは自由に本番を待つことに。
 その前後で、何人か知っている方にご挨拶いただきましたが、本番前の緊張と巻き進行で気が漫ろだったため、あまりたくさんお話できなかったのが悔やまれます。お名刺なども、ありがとうございました。またどこかで。
 時間が近づいてきたので本番のブースに移動。音声チェックも随分慣れたもので、スムーズに終わりました。前回は会場がめちゃ広で、自分の声も自分のヘッドセットに返してもらっていた(多分そうしないと会場で反響した自分の声が聞こえすぎて話しづらい)のですが、今回は小ぶりな会場なので自然な音響環境で集中出来ました。
 本番を待つ間、ツイッターをチェックしていたところ、某有名Vtuberさん(私はその人と関わりの深いVtuberさんの大ファン)が「カービィゾーン楽しみ」ツイートをしていて、ちょっと気分が上がりました。とはいえ緊張という感じではなかったかな。とにかく自分の喋りの出来不出来に集中していて、会場内外の反応については心配する範囲に入っていなかったのが良かったかなと思います。それで言ったら、桜井さんすらも見るかもしれないよな、とはちょっと思いました。

当日:本番

 概ね上手くいきました。本当によかったよかった。
 走者さんの邪魔にならないことと、走者さんの凄さが見ている人に伝わることが何よりの優先事項なので、それは達成できたかなと思います。
 緊張状態で喋っていると息が余る(体内に空気が詰まって苦しくなる)現象が良くあるのですが、リハーサルのときにちょっとそれになったので、本番では少し気を付けると再現しなかったのでよかったです。
 以下、反省点など箇条書き
・フェイク飲みは割と簡単できるので操作方法も含めて説明しましょうという打合せになっていたのですが、もうちょっと強調したかった。特に「飲み込みながら吐き出す」と言ったのは「吐き出しながら飲み込む」と言った方がよかった気がしている(吐いた後けっこう入力猶予あるので)
・カービィ走者の「カービィちゃん」呼びはいつもRiJで好評なのですが、好かれようと思ってやりにいっているわけではなく、自然に出てしまうものなのです。ちなみに、走者さんから最初にいただいた解説案でも「カービィちゃん」と書いてありました。実際は「カービィ」と呼んでいる箇所もあると思いますし、自然に出るままに任せています。
・3面の通路のところの難しい行き方は、一走者としては見せたい動きだったのですが、解説が追い付かずプレイ自体もうまく行かずということで、悔やまれます。が、成功しても凄さは伝わりづらい所だった、ということで溜飲を下げる。(走者経験のある人には見てほしかったけどね~)
・「さつまいも」ではなく「やきいも」では?という指摘がありましたが、サツマイモを焼いたものを焼きいもと呼んでいるのであって、さつまいもと呼んでも間違いではない。はず
・4面さつまいものあとにカレーが来るゾーン、食べ物が連続するなぁとは思っていたけど、本番のときに初めて「カービィは食いしん坊だなぁ」と思ったので完全アドリブで言いました。
・あっちなみに「カレーを華麗に避けて」はアドリブじゃなく、言えたら言おうと思ってて、走者さんに事前相談もなくぶち込みました。視聴者の集中のメリハリ的にもね、1回ぐらいはね、そういうの大事だと思います。
・実際あそこでカレーを避けるのって結構難しくて、華麗だなあとは本心から思ってます。
・4面クラッコ戦の乱数調整が完璧だったのが何より良かった。5面の再戦も決まればすごく良かったけど、上手くいかないパターンも見せられたと思えば、イベント的には良し。解説は「お祈りお願いします」をもっと早く言おうね。
・5面ウィスピー扉のところの解説で「ゴルドー」の発音が若干ふにゃっとしてると思うんですが、「ゴルドー」がゲシュタルト崩壊して「ゴルダー?ゴルドー?」みたいになりかけてます。こういうの本当に怖いね。
・デデデ戦が乱数ズレた割に良い乱数だったのは本当に単純に運がよかった。ダブルヒットの説明が満足にできずに終わりそうだったところに、最後にもう一回ダブルヒットの実演ができたのも本当に運がよかった。

今後のこととか

 終わってからチャット欄・各種SNSの感想を見返すと、本当に色んな人(カービィについて、RTAについて、乱数調整という概念について色んな認識を持っている人)が見ているなぁと実感できて、そこはRiJというイベントの大きな特長だと思います。自分はもっと狭い層だけに向けて共有するほかのイベントも好きなので、一長一短あると思いますが、これからも好きなゲームを適宜いろんな場所に出しながらRTA活動は長く続けていきたいなぁと、改めて思いました。やっぱり生活の張りあいになるし、今回は特に解説という行為とガッツリ向き合うことで成長の契機にもなったので、趣味として良い感じに活動できていると思います。
 RiJに限って言うと、目標にしているのは(前から言ってるけど)カービィ3のBest Endingを走ることですね。次の冬ではないかもしれないけど、長い目でまた応援よろしくお願いします。

 長文読んでいただきありがとうございました。

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