メタファー:リファンタジオ ~プロローグ体験版~ 雑感

ゲームについて

ペルソナ3,4,5のクリエイターによる新作ファンタジーRPG。
2016年にPROJECT Re FANTASYとして発表された作品。

今回は発売前に公開された、プロローグを約4時間弱程度体験できる体験版の雑感。

雑感

バトルシステム

コマンドバトル方式のRPGにおける格下の敵との戦闘の煩わしさを改善している良いバトルシステムだと感じた。

コマンドバトルはどうしても[会敵→場面転換→コマンドバトル→(場面転換→)リザルト→場面転換→フィールド]という流れになりがちで、特に格下の敵と戦う場合バトル部分は一瞬で終わるがその他の部分にある程度時間がかかるためテンポが悪く感じることもあった。
それを格下の敵はフィールド上で撃破できるとしたことでテンポが改善され、ダンジョンなどのフィールド探索も億劫になりにくくなるのではないかと期待できる。

また、同格や格上の敵の場合でもバトルを有利に開始する方法が、良くある背後から攻撃してバトルを開始するという方法の他に、何度か攻撃を当ててスタンさせて開始しても同じ効果が得られるのも好感触だった。

グラフィック

近年流行りの高解像度、リアリティ追及といった方向性ではなく幻想世界の空気感が感じられる雰囲気で良い。

エネミーのデザイン

一般的なエネミーはファンタジーに居そうなよくあるデザインで、作中で「ニンゲン」と呼ばれるエネミーは異形の化け物としてデザインされている。

ニンゲンと呼ばれる気色の悪いエネミー一辺倒ではなく、むしろ普段は一般的なエネミーが多いのは好印象。

メニュー・UI

おしゃれぶって作られているものの視認性が悪く使いづらい。

ペルソナ3Pやペルソナ4Gの頃のシンプルで視認性が良い中におしゃれを感じるUIのほうが圧倒的にデザインとして優れていたと思うため、P5以降の見映え重視の派手で情報量の多いメニューやUIは明確にゲーム体験を悪くしていると感じる。

世界観・ストーリー

ファンタジー世界の差別や偏見の多い国家を舞台にして、国王や王子を暗殺し王になろうとする軍の英雄と選挙で戦い差別のない国を作ろうという大筋だと現状では理解している。

メタファーとタイトルに入っている事や作中の描写から現実世界と何らかのリンクがあることが匂わされているが、個人的に現実に存在している解決してない問題を異世界を舞台に描く(時には解決する)という行為が物凄く嫌いであるため現状評価はかなり低め。

またP5や今作のような不愉快な人物や世界をストーリー進行の原動力にしようというのは個人的にどうかと思う。

その他システム関係について

ペルソナのような日時の進行や人間パラメータは不要だったのではないか。ここまで類似しているとなぜペルソナではなく新規のタイトルでファンタジー世界が舞台でなくてはならないのかという疑問がある。

国民の心をつかみ国民に選ばれた王になるという話であるならば、個人の行動で人間パラメータを上げるようなペルソナ式でなく様々なクエストやストーリー進行で徐々に王の器になっていくという表現でも事足りたのではないか。

また造り慣れた日時進行のために逆らえない魔法で選挙を行うという世界観を作ったのではないかという疑問も湧く。

最後に

全体としてガワをファンタジー世界にしたペルソナである。しかもP5のような良く無いストーリー進行を感じさせる。
ここまでペルソナと同じにするのであればペルソナの新作で良かったのではないか。人々を味方に付けて差別や偏見と闘うのは現実世界でも可能だろうし、現実で解決に向かわない問題を幻想世界で描き解決させるのは何の問題提起にもならない甘えであり妥協だと感じる。

これは今のところ体験版のみをプレイした上での感想であるため、製品版を最後まで遊びきった時にここまでの感想が覆される体験が待っていることを期待する。

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